疑問1:パラレルキャリアは恵まれた人、特別な人のものではないか?
なんだかんだ言ったって、パラレルキャリアは恵まれた人、特別な人のものでないのか――そんな疑問をよく耳にします。経済的、精神的に余裕があるからこそ、パラレルな活動ができるのではないかということです。
また、2枚目の名刺の活動に専門性が要求される場合があり、高い専門性を有する特別な人でなければ活動できないと思われる場合があります。
しかし筆者は、パラレルキャリアは特別な人のものではない、誰にとっても身近なものだろうと考えています。これまでの連載で述べてきたとおり、社会活動は敷居の高い内容のことに限ったものではなく、自分の興味に沿ってできる範囲のことで取り組めばいいわけですし、だからこそ楽しくできるわけです。
人間誰しも、さまざまな人生の役割(親であること、子どもであること、学ぶこと、働くこと、家事や育児を行なうこと、市民活動をすること、趣味を楽しむことなど)を同時にこなすことがもともと普通であり、誰にとってもパラレルキャリアとは身近なものではないか、と筆者は考えます。
疑問2:「パラレルキャリアは目新しい」とは言えないのでは?
一方、次のような疑問もありました。
自分の親は兼業農家だったが、それはパラレルキャリアに該当するのか。もし該当するなら、過去からパラレルキャリアは普通だったわけで、なぜ、いまさら言い出す必要があるのか。