4つの編集部それぞれの特徴
──書籍編集局には4つの編集部があります。各部の特徴やアピールポイントを教えて下さい。
市川有人(いちかわ・ゆうじん)
大学卒業後、人文系出版社、ビジネス系出版社を経てダイヤモンド社入社。2016年より現職。担当書籍に『情報は1冊のノートにまとめなさい[完全版]』『「超」入門 失敗の本質』『だから、僕らはこの働き方を選んだ』『戦略読書』『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『イノベーションと企業家精神』を読んだら』等がある。
市川 第1編集部は、ベテランと経験年数の浅い部員からなる編集部です。取り組んでいるジャンルは経営、経済、マネー、自己啓発、ビジネス実用などですが、翻訳書を多く出していることが一つの特徴だと思います。ダイヤモンド社の書籍を支えてきたドラッカーやポーターなどから、最近ではビジネスパーソン向けの食事法や人工知能、歴史などのジャンルまで多岐にわたっていますが、「面白くて役に立つ本」でありながら、社会にインパクトを与えられ、次世代のスタンダードになるような書籍をつくることを目指しています。
また本づくりにおいては、比較的若い編集部員が多いことから、部員みんなで企画のコンセプトをつくる「全員サポート体制」を組んで、ベテランの編集技術を積極的に共有する仕組みをつくっています。
小川 第2編集部の特徴は、攻めているジャンルがとにかく幅広いことです。経営、経済、社会、ビジネス実用、自己啓発はもちろん、株式投資や不動産投資などのマネー本、精神世界を扱ったスピリチュアル本、それに子育てや美容・ファッションなどの本も出版しています。
最初から「こういうジャンルを攻めよう」という明確な方針を立てたというより、それぞれの編集者が強みを伸ばしたり、売れるジャンルを試行錯誤して開拓したりするうちに広がっていきました。このジャンルの多様性というのが、良い結果にもつながっています。
和田史子(わだ・ちかこ)
大学卒業後、編集プロダクションで女性誌や情報誌の編集を経験した後、ダイヤモンド社入社。2013年より現職。担当書籍に『稲盛和夫経営講演選集(第1~3巻)(第4~6巻)』『銀翼のイカロス』『雑談力が上がる話し方』『采配』『入社1年目の教科書』『村上式シンプル英語勉強法』等がある。
和田 第3編集部も攻めている分野は幅広いですね。経営、金融、ビジネス実用、自己啓発、健康、英語、就職などに加え手帳や経済小説も手がけています。うちの編集部の特徴は、会議にあるかもしれません。誰かの企画を、全員で真剣に考え、皆でコンテンツをつくりあげていくようなイメージです。ただし、あくまで企画の責任者は担当者自身。皆の意見を採用するかどうかも含め、最終的な意思決定は担当者自らが行います。また、仕事に関する雑談も大歓迎、日頃の悩みや疑問はもちろんのこと、カバーラフやキャッチコピーの相談なども、会議の場で行います。
土江 私の席は会議室に近いんですが、第3編集部の会議のときは笑い声をよく耳にしますね。特に声の大きいY副編集長の声は丸聞こえ(笑)。
和田 騒がしくて恐縮です(笑)。でも部員と副編集長が優秀なので、編集長はすごく助かっています。本当にありがたいです。あと、第3編集部の会議は、他編集部の人の参加も大歓迎なのですが、あまり来て頂けていないのが悩みといえば悩みです。この記事を読んだ他編集部の皆さん、参加お待ちしております(笑)。
土江 第4編集部は、ベストセラー商品、ロングセラー商品をつくってきたベテラン編集者が集まったチームです。それだけに会議での皆の発言がとっても勉強になります。全員書籍が大好きで、編集については一家言持っている感じです。特に、ターゲットのジャンルであるビジネス実用や経営書、自己啓発書、語学書、お金関係の本は皆がずっとウォッチしているので、各ジャンルのいまの動きを把握していて「その全体の流れに対して、このデザインは***ですね」みたいな、編集好きの人間にとってはたまらない建設的な意見を戦わせています。本当に楽しいですよ。