「夢は寝てから見るものだよ」

 クラスは大爆笑! クラスメイトたちの面前で言われたこの一言に、私は大きなショックを受けました。この言葉がトラウマとなり、「やっぱりオレってダメなんだ」と、さらに落ち込んでしまったのです。

 この日を境に典型的にやさぐれていきました。テニス部をやめ、髪を金髪にして、眉毛はこれでもかというほどの細眉にし、中学時代の不良仲間と毎日遊ぶようになったのです! 

 そんな「高校やさぐれ暗黒時代」を過ごしていましたが、まだ働きたくなかったので、大学を受験しました。しかし、センター試験は数学20点、英語25点(200点満点中)、国語40点(200点満点中)など本当にひどい成績。当然のことながら、受かるわけがありません。

 浪人生活が始まってからも、毎晩男友達と遊びまくり、金髪姿は変わらず、香水をたくさんつけて予備校の単発講座を受講し、みんなから奇異の目で見られているのを「オレ、モテてる」と勘違いしていたくらい、何の危機感もありませんでした。

世の中の勉強法が合わなくて「発想」を変える

 大学は法学部ではなく人文学部で、政治、経済、法律を浅く広く学んでいました。

 あるとき必修の民法の試験を受けたのですが、答案を読んだ先生が、

「佐藤くんの答案がダントツでできていたよ」

 と言ってくれたのです。ずっとできなかった自分が、初めてほめられた瞬間でした。

 そして、思ったのです。「自分には法律の分野は向いているかもしれない」と。

 大学4年の夏、法学部でないにもかかわらず、大学の先生にほめられ調子に乗ってしまい、当時難関だった中央大学法科大学院の既修試験(2年コース)を受けました。

 しかし、参考書を見る勉強しかしてこなかったせいか、試験問題がまったく解けないのです。

 見事に真っ白な答案を提出。もちろん、不合格。

 すでに大学入試の段階で二浪しているので、金銭的にもう浪人はできません。あとのない私の頭の中に、小学生の頃のずる賢い考えがひらめいたのです。

「問題を解く時間がないなら、問題を解かずに答えを見まくろう」

 と、発想を変えたのです! テストの前日に行う一夜漬けの方法です。

 時間もないから、ノートを使うのもやめました。

 全科目の問題集を買って、「答えを見て問題を見る」ことを繰り返した結果、なんと東北大学法科大学院の既修試験(2年コース)の2次試験(論文試験)に合格。

 京大や東大の法学部の人たちが落ちているなか、法学部でない私がたった2ヵ月の勉強で受かったのです! 最終的には面接で落ちてしまったのですが、このとき、「そうか、試験に直結した勉強だけをやっていれば受かるんだ」と実感しました。

 これが「ずるい暗記術」誕生の瞬間です。