偏差値30、学年ビリのヤンキーが、倍率約8倍の法科大学院に合格、日本最難関の試験に一発合格した勉強法をまとめたのが、9月18日発売の『ずるい暗記術』。理解もせず、ノートも使わず、時間が短いほど効果の表れる勉強法は、資格試験、英語、大学受験、入社試験ほかで効果を発揮します。
「ずるい暗記術」誕生の瞬間から完成形を迎えるまでを、2回に分けて紹介します。

人生で初めての1位が、高校模試でダントツのビリ

 私は、小学校時代から、勉強もスポーツも恋愛も、何をやってもできない子でした。

 一つぐらいとりえがあっていいはずなのに、それも見つからず……。小学5年生まで九九もできませんでした。でも、テストの成績は悪くありませんでした! あまり大きな声では言えませんが、カンニングばかりしていたのです。

 当たり前のことですが、「答えがわかれば、点数をとれる」ことを知った瞬間です。カンニング(cunning)とは、「ずる賢い」という意味ですが、今思うと、この経験が、「ずるい暗記術」を生むきっかけになったのかもしれません。

 これはすごい発見でした。答えだけ覚えていれば、点数がとれちゃうんですから。

 まだまだ幼かった私ですが、怒られたのは言うまでもありません。

 高校受験では、近所の進学校を目指しました。必死で勉強し、45kgだった体重がストレスで65kgに増えるという犠牲を払った末、ギリギリで合格! 中学の先生から、男子サッカー日本五輪代表がブラジルに勝った「マイアミの奇跡」ならぬ、「湊中学の奇跡」と揶揄されたほどです。決して、ほめられたわけではありません。

 しかし、いざ高校に入ってみると、厳しい現実が待ち受けていました。進学校だけに、授業にまったくついていけないのです。周囲にどんどん置いていかれた挙げ句、学年模試で総合ビリ、偏差値30という不名誉な成績をとってしまいました。

 何をやっても1位になれなかったのに、人生初の1位が「ダントツのビリ」だったというわけなのです。おかげさまで、高校では私より少し頭のいい2人を加え、「三バカ」という不名誉な称号をもらいました。

先生に言われた一言で
「高校やさぐれ暗黒時代」に突入

 バカはバカなりに自覚をしているものです。ただ、この日のことは、今でも忘れられません! 朝のホームルームの時間、担任の女性の先生は学年模試の結果を渡しながら私の志望校を見て、こう聞いてきました。

先生「佐藤くん、国立大学に行きたいの?」
私「はい、行きたいです」
先生「佐藤くんの成績じゃ、どこの大学にも入れないよ」

 と言ってから、こんな言葉を続けました。