チャンスを逃さない「腹黒さ」が欠かせない

【藤原】それともう1つ大事なのは「健全な腹黒さ」。これは「なんとしてもやってやる!」という戦略性なんです。戦略性って情報処理力側の話じゃないんですよ。あることを考えつくときって、ある程度までは理詰めで行っても、最後にはジャンプがあるじゃないですか。

【津田】ありますね。

【藤原】そのジャンプのためには「もう絶対にチャンスを逃さないぞ!」という準備、「健全な腹黒さ=戦略性」が欠かせない。講演なんかではこの2つ、「遊び」と「健全な腹黒さ」が必要だってことをかなりしつこく言っているんですよ。

【津田】そうそう。僕の本ではそれを「論理による接近」と「直感による飛躍」という形で整理しています。

【藤原】でも「ジャンプの前にはやっぱり『量』が必要だ」と津田さんは本の最初のところで、ビシッと書いてらっしゃって、これも本当にそう思いますね。
アイデアの場合は100出したやつより1000出したやつのほうが強いのは、そのとおりだと思う。そのためには遊びと戦略性が必要だと思うんです。

【津田】僕は思うんですけど、ちゃんと「遊んで」いない人間っていうのは、「正解がないと不安」なんですよ。
同じくらい能力や知識があったとしても、正解主義の人とそうでない人とでは、勢いというか意気込みというかが全然違う。正解があると思って考えている人は、どこかで「後ろ髪」を引かれている。まずそこで違ってくると思うんですよ。

【藤原】そうですね。

第2回に続く]