オダギリジョーみたいな芸風

山田 でも、それはダ・ヴィンチに営業力があったからじゃなく、やっぱり芸術家としての才能を期待されてのことだと思いますよ。もっとも、当時のフランスにおける名声を考えると、フランソワ1世も本当はラファエロやミケランジェロを雇いたかったのかもしれない。でもその2人はローマ教皇が手放さなかったから、「あのラファエロが尊敬してやまない才能」ってことでダ・ヴィンチで手を打ったのかも。そのほうが、ラファエロ本人を雇うより「通」っぽいし。あくまで想像ですけどね。

こやま なるほどね。同業者に尊敬されていたから。

山田 そこは大きかったと思いますよ。あと、くどいようだけど、少なくとも一発はスゴイ作品を残しているという事実も。

こやま 本当に天才的な人だったんですね。納品能力がないだけで。

山田 そんな致命的な欠点すら、今の感覚からすると、むしろアーティストっぽく思えてくるのが、ダ・ヴィンチのおいしいところ。「ラファエロなんてただの職人じゃん」みたいな感じになるわけですよ。

こやま ミケランジェロなんていっぱい描いてるだけで。

山田「偉そうなこと言ってるけど
結局はローマ教皇の飼い犬じゃん」
みたいな。

こやま 「レオナルドはゆうこときかねーぞー」みたいな。

山田 その自由さにシビれる、憧れる~。

こやま オダギリジョーみたいな芸風でしょ。

山田 「無理してまでゴールデンタイムのドラマに出たくないっす」

こやま 最近はやりすぎると干されますけどね。