「前頭前野」とは?

 この働きに関係しているのが、ちょうど額の内側、脳の前頭葉の前のほうにある「前頭前野」と呼ばれるところです。

 人間では大きく発達し、脳の約3分の1を占めています。
 前頭前野が働くためには、外からの刺激を受け入れるところ、運動を起こすところ、記憶するところなど、大脳のほとんどすべての場所が関係しています。

「頭のいい人」は脳の回路が機能的につながっており、前頭前野が働いて、行動のコントロールがうまくできます。

 子どもの脳が大きく発達していくとき、大脳のうち外の世界を知る領域(頭頂・側頭連合野)は11~12歳ごろにピークを迎え、前頭前野は10歳ごろに発達のピークを迎えて、ほぼ大人と同じ大きさになります。

「前頭前野」の働き1

 前頭前野のおもな働きは、なにかをするときに、考えて判断し、運動や行動を組み立てて、それらを最適に選択することです。

 次々と行う行動では、時間(タイミング)が重要となり、いつなにをするかを考えて実行することが大切になります。

 次に起こることを前もって予測できること、ある行動をその時間まで待って実行すること、正確に3分後を予測できることなどは、前頭前野が機能しなければできないことです。

 また、「“だいたい”がわかる」ということも前頭前野の重要な働きです。
 たとえば、絵本のお話を聞かせたあと、なんの話だったのかをまとめてもらう、といったことがその練習になります。