「前頭前野」の働き2

 いろいろなものや出来事に対して、興味やなぜだろうという疑問を持ち、それらの関係性を理解することにも前頭前野が働いています。

 前頭前野は、注意を集中させる働きもしています。
一つのことに熱中して、やり続けることができるのも前頭前野が働いているからです。

 注意を集中する能力も練習すれば身につきます。
 もの探し、遊び、歩くことや走ること、競争など幼児が興味を持ってできるように仕向けることで、その能力を高めることができます。

「頭をよくする」ことは、前頭前野の働きをよくすることですから、外からの感覚刺激と過去に覚えたことをもとに行動を組み立てることが大切です。

いろいろなことを体験して、失敗したらそれを改めることなどをくり返すことで、前頭前野が働きます。

「頭頂連合野」と「側頭連合野」

 手や足の皮膚から複雑な感覚を理解すること、皮膚感覚と視覚と聴覚などの複数の感覚をまとめる総合的な働きをしている脳の部分が、「頭頂連合野」です。

 また、側頭連合野の前方は、聞いたものを区別したり、記憶したりする働きをする場所です。側頭連合野の後方は、見たものを区別したり、記憶したりします。

 この頭頂連合野と側頭連合野を合わせて、「後部連合野」と言いますが、この部分の発達が一番さかんなのは9~11歳ごろです。

 よって、外の世界をいろいろな感覚で知り、総合的に理解することを十分にしなければならない時期は、9~12歳ごろと言われています。

<著者プロフィール>
久保田カヨ子(Kayoko Kubota)
1932年、大阪生まれ。脳科学の権威である京都大学名誉教授・久保田競氏の妻で2人の息子の母。長男が一級建築士、次男が東京大学に合格。約30年前に、日本における伝統的な母子相伝の育児法を見直しながら、自身がアメリカ在住時と日本で実践してきた出産・育児経験をもとに、夫・競氏の脳科学理論に裏づけされた“0歳から働きかける”クボタメソッドを確立。テレビなどで「脳科学おばあちゃん」として有名。『カヨ子ばあちゃん73の言葉』『カヨ子ばあちゃんの男の子の育て方』『カヨ子ばあちゃんのうちの子さえ賢ければいいんです。』『赤ちゃん教育――頭のいい子は歩くまでに決まる』『カヨ子ばあちゃんの子育て日めくり』など著書多数。ズバッとした物言いのなかに、温かく頼りがいのあるアドバイスが好評。全国からの講演依頼もあとをたたない。
【脳研工房HP】http://umanma.co.jp/