「なんとなく働いている人」を
もっと幸せにする役割

ビジョンをつくるということは、組織・チームに所属するメンバーたちの仕事を「定義」することだとも言えるでしょう。つまり、「何のために働いているのか?」を考えるための土台を、メンバーそれぞれに用意するのです。

「リーダーが“働く意味”まで用意するなんて……押しつけがましくないかな?」と思われるかもしれません。

しかし、考えてみてください。
どれくらいの人が明確な目的意識を持って働いているでしょうか? ほとんどの人は「仕事で実現したいこと」についてはっきりとしたイメージを持っているわけではありません。「なんとなく」とか「ちょっとしたご縁で」いまの会社で働くことになったという人もいるでしょう。

働く人たちは、「この会社は『生産者の人たちの暮らしをよくする会社』であり、あなたの役割は仕事を通じてそれを実現することだ」といったストーリーを必要としています。
ビジョンが指し示す「仕事の目的」に共感できれば、それを実現する喜びを味わうために、人は誰かに指図されなくても、自らの腕を磨きはじめます。そして、働く1人ひとりが、自らの成長を喜べるようになれば、それはまさに最高の職場と言えるでしょう。

(第5回へつづく・明日公開予定)