問題は、それらが必ずしも、忙しい読者に必要な情報ではないということ。

たとえば、「私にこういう過去があったからこそ、こういう道筋をたどったのだ」というプロセスの記述が、読者にも有益な情報となり得ていればいいのですが、多くのビジネス書、自己啓発書を読んできた経験からすると、そういうケースはかなり少ないように思います。

ほとんどの場合は、類書とどこが違うのかを読者にアピールするための、いわば「買わせるための情報」です。場合によっては、著者の「自己顕示欲」を満たすためだけに書かれたようなものもあります。

この種の「著者による自分語り」は、読書時間を短縮する際には、積極的にスキップしていくべきポイントです。

ただし、「ほかの本との差別化ポイント」が書かれているという意味では、本屋さんで本を選ぶ際には、大いに参考にする価値がある部分だともいえます。

◎理論や主張を裏づける「個別の事例・体験談」
ビジネス書や自己啓発書では、語られた理論や解釈を裏づけるときに、本当にあった事例や体験談などが引き合いに出されることがあります。

一般的なのは、「理論」→「事例」→「理論(まとめ)」という流れでしょう。まずフレームを提示し、さらにそれを補強するような実例を示し、最後にもう一度、骨子となる理論なり主張なりをまとめるわけです。

だとすれば、事例部分は飛ばして「まとめ」の部分を読むだけでも、十分に話は理解できるはず。体験談は主張のための説得材料として用意されたものなので、現実的にはスキップしてしまっても、著者のいいたいことは理解できるようになっているわけです。あまりに事例や体験談などが長い場合は、僕もどんどん飛ばしながら読んでいくようにしています。