結婚や出産にこだわらない価値観の第一は、仕事だろう。実際目黒区では、正社員として働く専門技術職、管理職、事務職の女性が4位と高く、キャリアウーマンの多さをうかがわせる。

 高学歴も目黒区の特徴だ。20歳以上の学卒女性に占める短大・高専・大学・大学院卒の割合は、世田谷区に次いで2位。ちなみに男性も2位で、高学歴者はカップルで多い。

 ここには絵に描いたようなアラサー、アラフォー女性のトレンディ・ライフスタイルが垣間見られる。だがその結果として、合計特殊出生率は渋谷区に次いで低い。老年人口比率は今のところ19位だが、今後は少子高齢化が一気に進む恐れも否定できない。

「住み続けたい街」を襲う
人口減少ショックの背景

 目黒区のキャッチフレーズは、「住みたいまち、住み続けたいまち 目黒」。「住みたいまち」であることに異論はないし、それ故に多くの人が住み続けたいと考えているのも間違いないだろう。だが、「住み続けたい」と「住み続ける」は必ずしもイコールではない。

 目黒区の人口は、近年緩やかな増加傾向を示してきたが、その増加幅は年々縮小が続いていた。そして2009年、ついに人口が減少に転じたのだ。現在、東京23区の中で人口が減っているのは、目黒区と渋谷区の2区しかない。

 09年の人口減少は、都内間の移動によるマイナス、つまり都内他地域への転出の多さが直接の原因となっている。

 しかし、問題は他県間との移動にもある。他県からの転入者の対人口比は11位とそこそこ高いものの、転出者の比率は4位とより高い。転出者比率上位3区の千代田、中央、新宿は、転入者比率もベストスリーで、転出する人も多いが転入する人も多い。これに対して目黒区では、転出入のバランスが崩れ始めている。