トレーニング4――強要せずに、声がけしながら姿勢を矯正させる
男の子は動くおもちゃが好きです。
とりわけ、自動車を手で押して動かす遊びはあきないようです。
遊ぶときは、視力向上のために手助けすることを心がけてください。
子どもの背丈や座高より低いところで遊ぶと、目線を車輪に合わせるために身体を曲げたり、横たわったり、顔の半分を床につけたりしながら、車を動かして遊びに興じます。
そうしているうちに、子どもの姿勢が崩れてきます。そのほうが車の部分がよく見えるからです。
横に寝ころんで本を見ているときも注意してください。
左右の焦点距離が微妙に違っているので、左右の目の度数が異なり、メガネをかけないとよく見えなくなってしまいます。
お母さんは、子どもの目の高さに大好きな車輪が見られる台や、机の上に載せて遊べるようにしてあげてください。
そのときに、左右の目の動きをよく見てチェックしましょう。
昨今、外で友達と一緒に遊ぶことが減ってきているので、目に対する外からの刺激がない状況に近くなってきています。
親は常に気をつかい、子どもが変な姿勢のときには矯正してあげてください。
厳しく強要するのではなく、声をかけて、手を添えてやります。
おもちゃだけに気をつけるのではなく、遊ぶ環境や机、椅子といった遊ぶための家具も選んであげましょう。
歩けるようになっても、斜視が続く場合は、眼科医と相談します。
特に、外斜視は左右の目で1つに焦点を集められず、片方だけの目で見るようになります。
これを続けてしまうと、使わない片方の視力が落ちて、しまいには見えなくなることもあります。
外斜視だった妹の当時の彼は器用にも、片目ずつ交互に使いましたので、視力にあまり差はありませんでしたが、それだけは幸運でした。
なんと片目で距離計算して立体視していたのです。
それでも手術後は、「まるで違った景色を見た」と言っていましたが、彼がどのような景色の違いを知ったかは、他人にはわかりません。
立体を感知できるのは、左右の健康な目の働きがあってこそです。
トレーニング5――「卵当てごっこ」で立体視を強化
卵を用意し、あらかじめ、卵の先のとんがったほうを「頭」、ずんぐりして太いほうを「お尻」と決めます。
お母さんは子どもと1~2メートル離れて向き合います。
子どもの目玉の高さに合わせて、お母さんは背後に隠した卵を縦向きにして見せます。
「どちらが頭かな?お尻かなと?」と、子どものほうに向いているのはどっち?と聞きます。
当たる確率が低いときは、手間ひまかけて、何回でも働きかけてください。
また、外の景色を見せて、距離感を目で見てわかるようにしてあげます。
「あそこにお寺があるのがわかるかな?公園があるのがわかるかな?遠くに見える建物、いつも行く○○スーパーよ」
と遠くを見せて語りかけてみてください。
3歳くらいになっておしゃべりができても、立体視ができないと思われたら、懸命に働きかけましょう。
しかし、見えていても、あやふやで答えられないこともあります。
この場合は、何度も練習しているうちに、言われたことを理解して、徐々にうまくできるようになります。