少子高齢化による市場縮小と研究開発費の高騰で業界再編が一気に進んだゲームソフト業界。だが、再編後もメーカーの優勝劣敗は進んでおり、さらなる再編が起きてもおかしくない状況にある。
2009年の国内ゲーム市場はソフト、ハード合わせて約5426億円(エンターブレイン調べ)と、ピークの07年から2割近い縮小である。市場縮小の主たる原因は、ハードの値下げ競争にあるとはいえ、ソフト市場もほぼ横ばいだから厳しい状況だ。
任天堂やソニーなどのプラットフォームホルダー(家庭向けゲーム機メーカー)を除いた、サードパーティと呼ばれるゲームソフトメーカーの上場大手は6社ある。
スクウェア・エニックス・ホールディングス、カプコン、セガサミーホールディングス、バンダイナムコホールディングス、コナミ、コーエーテクモホールディングス(以下、HD)の6社である。
社名を見ればわかるように、オーナー経営のカプコンとコナミを除く4社すべてがアミューズメント業界内の再編で発足した会社だ。
再編の幕開けは03年のスクウェアとエニックスの合併。研究開発費の高騰で生き残りには規模拡大が不可欠となったためだ。翌04年にはセガがパチンコ・パチスロ大手のサミーと、さらに05年にはナムコが大手玩具メーカーのバンダイと経営統合した。
任天堂が「ニンテンドーDS」(04年発売)や「Wii」(06年発売)で女性や初心者の取り込みに成功し、市場が急拡大するまで、ゲーム市場は縮小を続けており、業界再編は当然の結果だった。
さらに08年にはスクエニHDのTOBを拒否したコーエーが、ホワイトナイトとして登場したテクモと経営統合し、昨年4月にコーエーテクモHDが誕生した。ただし、大手6社の一角といっても、同社の売上高はゲーム以外を含めても345億円で、最大手の連結売上高の10分の1に満たない規模でしかない。