非利き手がなぜ大事なの?

 特に、道具を持たないほうの手(非利き手)の位置が大切です。

 箸を持つ、茶碗を持つなど、それぞれの手の使い分けは、自然にできるものではなく、学習で覚えるのです。

 利き手が決まるときには、前頭葉の働きが大きく関わっています。

 幼児の間に「右利きでないといけない」と、右手を使うことを強制する必要はありませんが、日本人の場合は右利きのほうが便利かもしれません。

 ほとんどの人が、箸を右手に持たせます。

  お母さんは、離乳食を食べさせるときに、赤ちゃんと向き合っていますね。

  なんでもマネて覚える赤ちゃんは、お母さんの右手の使い方を左脳でマネて覚えているのです。

 “背後”に回って
「見よう見マネ」は大切な学習法

言葉が通じない間でも、「見よう見マネ」は大切な学習法です。

 箸の使い方を教えるとき、向かい合って持たせると、すぐにマネできません。

  子どもには、お母さんの手が交差してしまい、見慣れないからです。

  特に、手で道具を使うときは、子どもの背後から手を回して持たせ、何度も動かしてください。

  ボールやラケットの持ち方などを正確に教えたり、動かし方を学ばせるにも、必ず背後に回って教えます。

  これは大人の世界でも行われているものであり、教える側の大切な心得です。

  大人になって左右の手の使い方の差が大きい人は、子どものころから非利き手をあまり使わなかった人です。

  私は孫たちに、ポケットに手を入れたまま歩くことさえ禁じます

  息子には「片手で食べてはいけません」と、よく注意しました。

  赤ちゃんのときからお母さんが手抜きをすると、片手使いになってしまいますよ。