睡眠の悩みを解消するための情報は、これまでにも、さまざまなメディアでたくさん紹介されてきました。でも……。

・8時間眠りなさい
・できれば「22時」に眠りなさい
・規則正しく栄養管理の行き届いた食事を摂りなさい
・睡眠時間を確保することから1日をスケジューリングしなさい

「……いやいや、そんなの無理だから! 」

そう思ったことはありませんか? 

いわゆる「睡眠の常識」と、ビジネスパーソンの実態はかけ離れているのです。そこで本連載では、医師とビジネスパーソン両方の視点と経験を併せ持つ著者が、新刊『一流の睡眠』から、現実的かつ具体的な「睡眠問題解決法」を教えます。

第2回は、目覚めが良くなる2つのコツを紹介します。

「起床→即行動」2つのコツ:医師×MBAが教える現実的な快眠戦略

 

「早起きしようと思ってもなかなか起きられない」
「目覚めてもしばらく起き上がれない」
「あと5分、布団にいさせてくれ……」


 誰でも一度は味わったことのある感覚でしょう。

 快適な目覚めで「今日もがんばるぞ!」と思えるか、だるい体を起こして気力を振り絞って布団から這い出すか。寝起きの状態は、1日のモチベーションに大きな影響を与えます。スッキリと快適に目覚めた朝は、1日を通して気持ちよく過ごせます。

 そんな快適な朝を迎えるためには、いくつかのコツがあります。

ビジネスパーソンは
「自然と」夜型になる

 朝、太陽の光とともに目覚めるという習慣は、人間が太古の昔から繰り返してきたことです。このあたりまえの事実が、人間の健康にとても重要な役割を果たします。人間の体内時計は、朝、太陽の光とともにリセットされ、1日のリズムを調整するからです。

 1日が24時間であるのに対して、人間の体内時計のサイクルは約25時間だと言われます。放っておけば毎日1時間ずつサイクルがズレていくわけですが、朝日を浴びることで、人間はこの1時間のズレをリセットしているのです。

 午前中の日光は、体内時計を早める効果がある一方、夕方から深夜にかけての光は体内時計を遅らせる効果があります。つまり、光を浴びるタイミングが不安定になると、朝の目覚めや、夜の眠気が出てくる時間帯が不安定になるのです。

 1日24時間に対して体内時計が25時間ということは、人間の体は夜更かししやすいようにできていると言えます。つまり、放っておけば、誰でも徐々に夜型になっていくのです。さらに、深夜のコンビニ通いなど、夜に強い光を浴びる生活を続けていると、夜型化に拍車がかかり、「遅寝遅起き」というビジネスパーソンにとって良くないスパイラルに入りやすくなります。

「起床→即行動」2つのコツ:医師×MBAが教える現実的な快眠戦略not一流


 ですから、朝イチからバリバリと仕事をこなしたい人は、夜間の強い光を避けて、意識的に朝日を浴びて、体内時計のリセットを促す工夫を施す必要があります。