自分のためではなく、他の人々のために祈った体験を、きっと誰もが持っていることでしょう。病気の家族や友人のために祈る、困難な状態にある人々のために祈る、などです。
こうした祈りには、大きな効果があることが実験で認められているそうです。

祈りが及ぼす患者の回復への影響が<br />アメリカの大学や病院で実験されています祈りは気休めではないようだ。

祈りの効果は
実験によって認められています

 祈りが病人の回復に対して効果的かどうかについて、アメリカではいくつかの研究が行われています。祈りについて多くの著作のあるラリー・ドッシーが、医学専門誌に次のような実験例を発表しています。

 カリフォルニア大学で行われた実験では、心臓病の患者393人を、192人と201人の2つのグループに分けました。そして、192人のグループにだけ毎日、他の人々から祈りを送ってもらいました。
 すると、祈りを送ってもらったグループでは9人の病状が悪化したのに対して、送ってもらわなかったグループでは48人も悪化したそうです。ただし、この実験結果が本当に科学的に妥当であるかどうかは、認める人もいれば認めない人もいるそうです。

 もうひとつは、ミズーリ州の病院での実験です。
 1000人の患者を2つのグループに分けて、一方のグループだけに他の人から祈りを送ってもらいました。

 すると、祈ってもらったグループの人たちのほうが、10パーセントも回復が早かったという結果が出たそうです。

 また、デューク大学が1986年から1992年に行った実験もあります。
 この実験では、65歳以上の4000人を調査したところ、毎日祈りをささげている人は、祈らない人よりもずっと長生きしたそうです。

祈りを送られる人にも、祈るという行為を行う人にも、祈りはよい効果をもたらすというのです。