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年末、1週間続けて無断欠勤した社員。誰も連絡がつかなかったこともあり、「無断欠勤が連続7日以上に及んだときは懲戒解雇にする」という就業規則に照らし、会社は社員を解雇することにした。社員は「無断欠勤なんかしていない、クビなんておかしい」と言い張るが……。正しいのはどちらの言い分だろうか?(社会保険労務士 木村政美)

<甲社概要>
製造業で従業員数は300名。正月休みは12月30日~1月3日
<登場人物>
A:総務課長でAの上司。45歳
B:総務課員で25歳。勤務は土、日休み。
C:甲社の社長。65歳。
D:甲社の顧問社労士

12月下旬、社員と連絡がつかなくなった

 12月下旬の月曜日、朝礼でBの姿がないことに気がついたA課長。欠勤や遅刻の連絡は誰も受けていないので、通勤電車が遅れているせいだろうと軽く考えていた。ところが午後になっても現れない。気になったA課長はBのスマホに何回も電話をかけてみたが、一向に出ないし、Bからの折り返しの連絡もなかった。

 そして次の日もBは出勤せず連絡がつかないので、A課長は総務課のメンバーや他部署に所属するBの同僚に、無断欠勤の原因に心当たりはないかとたずねてみたが、皆一様に「知らない」と答えた。A課長の話に驚いた同僚はBのLINEに何回もアクセスしたが、返事はおろか既読もつかない。周囲は「もしかして何かあったのでは?」と心配したが、A課長は、

「Bめ!無断で会社を休んだ上に、会社からの連絡を拒否するとはけしからん!」

 と怒り、以後連絡を取るのをやめた。