開成、麻布、桜蔭、雙葉、筑駒、渋幕、武蔵、海城……東京・吉祥寺を中心に都内に展開する進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないが、「普通の子ども」を有名難関校に続々と合格させると話題の塾だ。VAMOS代表の富永雄輔氏は、最新刊『ひとりっ子の学力の伸ばし方』で、子どもの特徴を最大限に生かして学力を伸ばす「ロジカルで科学的な学習法」を提唱し、圧倒的な支持を集めている。本稿では、富永氏が登壇したオンラインセミナー「子どもの特性にあわせた塾の選び方」(2023年7月30日開催)で、参加者から出た質問への回答を紹介する。

【今どきの中学受験】塾は何年生から通ってる?Photo: Adobe Stock

Q. 中学受験をするにはいつから塾に行かせるべきですか?

質問者:小学3年生の子どもを持つ保護者
――中学受験を対象にした塾に入るなら、遅くともいつまでに決めるといいですか?

質問者:小学5年生の保護者
――今から受験のために塾に入り、受験できるレベルまで上がるのでしょうか?

富永雄輔(以下、富永):「小5や小6から、中学受験に間に合いますか?」という質問をよく受けるのですが、まずは「ゴールをどこにするか」ということが重要です。

「絶対に筑駒や開成に行きたい、他の学校では満足しない」と言うのであれば、小5から始めるのはリスクのある決断かもしれません。

 一方で「子どもに有意義な学校生活を送って欲しいから中学受験をしたい」「いわゆる難関校だけでなく、幅広い偏差値の範囲で、行きたい学校の候補がいくつかある」ということであれば、本人の頑張り次第ですが、いつ始めても大丈夫です

 また、大手の塾に関して言えば、塾のカリキュラムが進んでしまっている段階で途中から入塾しようとすると、それ以前の段階を理解していることが前提となってしまうので、カリキュラムについていくのが大変だと感じるお子さんも多いかもしれません。

 一方で、中規模や小希望の塾の中には、そういったお子さんを対象にしている塾もたくさんあります。

 お子さんがどんな塾にあっているのか、入ろうとしている塾と相談してみるのが一番いいと思います。

小3の秋から塾と学校の差が広がっていく

富永:公立小学校と大手塾のカリキュラムは、小3の秋頃から一気に開いていくという印象を受けます。

 ですので、中学受験を意識するのであれば、小3の2学期頃から勉強の視野を高くもつことが必要です。

 例えば、計算を少し先取りするといった学習をしていくといいと思います。

 塾に入れば、与えられたカリキュラムに沿って計画的に学習を進められるという安心感があるので、小3から塾に入る人が多いですが、小3の段階では塾に入れたくないという家庭は、公文式などで鍛えて、小4の途中から塾に通うという選択もいいと思います。