合格力を上げてきた公立中高一貫校

 首都圏1都3県には難関私立大学ランキングの上位校がひしめいており、国公立100大学合格力ランキングには、わずか3校しか入っていない。埼玉県の男子校である30位県立浦和(さいたま市浦和区)、20位東京都立日比谷(千代田区)、31位神奈川県立横浜翠嵐(横浜市神奈川区)で、いずれも都県内トップ校だ。ちなみに浦和と日比谷は、旧一中である。日比谷は国公立医学部合格力で12位に入った。

 残りは難関私立大学合格力でのランクインなので、それを前提に見ていくと、埼玉県では8位に県立浦和、20位に中学を付設しているさいたま市立浦和(さいたま市浦和区)が入った。千葉県では旧一中の19位千葉と、17位東葛飾という中学を付設している県立2校と、7位県立船橋という公立御三家が顔を並べている。

 神奈川は、旧一中である希望ケ丘の名前は見当たらず、2位湘南(藤沢市)、4位横浜翠嵐、10位厚木(厚木市)、11位川和(横浜市都筑区)、12位柏陽(横浜市栄区)、そして18位に相模原中等教育学校(相模原市南区)が並ぶ。いずれも県立校である。

 東京も同様に見ていこう。3位日比谷、5位には旧十中の西(杉並区)、旧九高女の21位多摩(青梅市)、旧四中の23位戸山(新宿区)、旧六中の24位新宿(新宿区)といった伝統校が顔をそろえている。ここでの注目は旧五中の1位小石川と、戦後生まれの6位三鷹という中等教育学校コンビだろう。いずれも都立一貫校屈指の人気校であり、進学実績でも進学指導重点校に並ぶ。

 ここからは甲信越を。山梨県と長野県の学校は見当たらない。新潟県は旧一中の48位新潟(新潟市中央区)が国公立医学部合格力でも7位につけた。富山県は同じ富山市内のライバル校が並んだ。国公立100大学合格力では富山が22位に、国公立医学部合格力では富山中部が11位に入った。前回に続き、旧一中である富山の健闘が光っている。石川県は50位金沢泉丘(金沢市)のみであり、福井県は7位藤島が国公立医学部合格力でも14位につけるのみとなっているが、いずれも旧一中である。

 東海地方はどうか。岐阜県は旧一中の16位岐阜(岐阜市)のみで、国公立医学部合格力でも15位につけている。静岡県は旧一中の17位静岡(静岡市葵区)と21位浜松北(浜松市中区)が県内の東西を代表しており、国公立医学部合格力でもそれぞれ18位と22位となった。

 公立王国の愛知県では、旧一中の14位旭丘(名古屋市東区)が、国公立医学部合格力も3位と群を抜いている。名古屋市内では32位明和(名古屋市東区)、三河地方からは15位岡崎(岡崎市)と19位刈谷(刈谷市)、46位時習館(豊橋市)がランクインしている。三重県は、このランク内にはなかった。