コロナ禍でも人気上昇の学校とは

 難関男子校では、武蔵も「逓増型」とした。541人(2.92倍)、569人(3.06倍)、580人(3.09倍)、574人(3.14倍)、624人(3.51倍)と伸ばしてきた。入試広報の活発な動きも寄与しているのだろう。特に22年の伸び方が大きいため、次に挙げる「急増型」の要素も持っているが、母数が大きいためこちらに分類した。

 21年と22年の入試はコロナ禍で行われた。長距離の移動を伴う受験先は受験者数を減らす傾向にあったが、この間に受験者数がそれ以前に比べて跳ね上がった「急増型」について見ておこう。

 男子校では、1日午前の獨協(第1回)が該当する。219人(1.99倍)、197人(1.99倍)、192 人(2.09倍)、244人(2.54倍)、329人(3.29倍)と、21年と22年の増加幅が大きい。

 共学校では、駒込(第1回)が典型で、20人(2.22倍)、40人(1.21倍)、38人(1.19倍)、148人(1.66倍)、230人(1.77倍)といった具合に、5年間で受験者数が10倍増となっている。一方で、実倍率は抑えめである。東京の桜丘(第1回特待チャレンジ)や宝仙学園共学部理数インター(第1回2科・4科 特待選抜)、神奈川の関東学院(一期A)や横浜創英(第1回4科・2科)なども同様である。

 20年前後を底に回復基調でVの字を描く「回復型」も、コロナ禍で人気が上がっている学校といえる。

 男子校では、鎌倉学園(一次)が該当しそうだ。248人(3.44倍)、260 人(3.29倍)、217 人(2.68倍)、235 人(2.87倍)、249人(2.90倍)と、実倍率の動きがVの字を描いている。

 共学校では、明治大学付属中野八王子(A方式第1回)も同様だろうか。235人(4.43倍)、218 人(4.04倍)、206 人(3.49倍)、215 人(3.12倍)、232人(3.05倍)と受験者数はV字なのだが、実倍率は逓減している。合格者数を増やしていることの反映だろう。

 受験者数は21年が底で22年にだいぶ戻した学校として、神奈川大学附属(第1回)が挙げられる。376人(2.03倍)、365 人(2.13倍)、307人(1.87倍)、249人(2.37倍)、357人(3.53倍)となっている。実倍率も2倍割れまで落ちたものの、22年には急増したため、23年にはちゅうちょする傾向が見られるかもしれない。

 例年あまり変動しない「安定型」は数少ない。

 早稲田大学高等学院は、442人(3.20倍)、429人(3.20倍)、430人(3.14倍)、407人(3.04倍)、438人(3.29倍)と、隔年型にも見えるが、増減幅が1割に満たないということもあってこちらに分類した。実倍率も3~3.2倍で推移している。

 三田国際学園(第1回インターナショナルサイエンス)は、131人(4.37倍)、112人(4.48倍)、112人(2.73倍)、122人(3.49倍)、124人(3.76倍)と、19年以降の受験者数は安定している。武蔵野大学(第1回)も同様だ。