法務・税務(4) サブカテゴリ
第90回
ピケティは、富を再生産し格差拡大につながる資産が問題だとして、資産課税の強化、純資産への累進課税の導入を提言している。これは、現在ある財産税・富裕税と似た概念だ。資産そのものへの課税強化は、現実的な選択肢だろうか。

第89回
世界で比較すると、わが国は再分配前は格差の少ない国だが、再分配後は格差が大きい国となっており、所得再分配機能の再構築は重要な政策課題だ。トマ・ピケティ氏の議論を念頭に置きつつ、わが国の高所得者の実態を見ながら税負担の問題を考えてみよう。

第88回
ピケティの来日を契機に、日本でも所得格差・資産格差が問題となっている。わが国の格差の実態とそれに対する政策について、2回に分けて論じてみたい。筆者は、日本の税制が格差拡大を許していることに課題を感じている。

第87回
消費再増税延期をデフレ脱却のためとする一方、2020年のPB黒字化は守るとする安倍首相。しかしここにきて出始めた、PB黒字化のみならず債務残高GDP比などの新たな経済指標を加えて複合的に見るという議論は、大いに警戒すべきだ。

第86回
昨年12月30日に与党税制改正大綱が決定された。今回の税制改正議論で、これまでと最大の違いは、主導権が党税調から官邸へと移ったということだ。このことはわが国の統治機構上望ましいことだが、一抹の不安を感じるのはなぜだろうか。

第85回
総選挙では自民党が圧勝。が、投票率に表れているように、それは決してアベノミクス経済運営への賛辞ではない。必要なことは、アベノミクスの副作用やリスクをミニマイズしていく経済政策を、着実に実行していくことだ。

最終回
「ペヤング」にゴキブリらしき昆虫が混入していたという衝撃的事件が起きた。当初まるか食品は混入を否定したが、保健所が混入は否定できないと結論づけ、同社は全工場生産自粛、商品販売休止を決断。この対応は過剰なパフォーマンスか、それとも英断か。

第84回
自民・公明の与党が選挙公約に消費税の軽減税率をあげている。しかし、軽減税率は逆進性対策・低所得者対策の効果は薄い。減税になるからということで選挙公約に掲げるのは、究極のポピュリズム政治だ。

第83回
安倍首相は消費増税先送りの記者会見で「税制こそ議会制民主主義」と語ったが、総選挙では税制のあり方が、全く問われていない。「代表なくして課税なし」と言うのなら、本来問われるべきは、一国の税制のあり方である。

第3回
2006年1月、ライブドア本社と堀江社長(当時)が突如、家宅捜査を受け、ライブドアショックが起きた。このように企業は突然、当局の捜査を受けてさらなる失策を重ねてしまうことが多い。報道でも明らかにされていない当局の調査・検査・捜査の実態とは?

第82回
消費税率の10%への引き上げを延期するかどうかが大きな政治問題と化している。仮に延期したとすれば、それはアベノミクスの失敗の始まりである。

第2回
2013年年末、マルハニチロの子会社であったアクリフーズ群馬工場で冷凍食品に農薬が混入され、元契約社員が逮捕・起訴された。この事件は世間に「フードテロ」という新たなリスクを認識させたと同時に、内部犯行は決して想定外ではないと知らしめた。

第1回
多くの方がご存じのように今年7月ベネッセ個人情報漏洩事件が起きた。実は、その流出件数の大きさだけに関わらず、視点を変えてみると重要なポイントが4つあることがわかってくる。第一に、最初から最後まで漏洩数は「件」で表示されていたことである。

第81回
突然アベノミクスの正念場がやってきた。第1の矢も第2の矢も「想定外」の事態が生じ、安倍政権の経済政策は袋小路に入りつつある。ここで消費税率引き上げの先延ばしを行えば、国際投資家に付け入るスキを与えてしまう。

第80回
現在、わが国の法人税率を引き下げるには、地方税である法人事業税・外形標準課税を拡充すべきという議論が行われている。一方この税に対しては、批判も多い。これをどう考えるかが、今回の法人税議論の評価につながる。

第79回
多国籍企業の租税回避を防止することは、税の公平性を確保するだけでなく、企業の競争条件の公平化を図る上でも極めて重要なので、国民はもっと関心を持つ必要がある。では、そもそも国際的租税回避とは何か。問題の本質とは?

第78回
米国政府や議会は多国籍企業の行き過ぎた租税回避行動に対して、法規制を導入しようとしている。わが国の高い法人税率は引き下げざるを得ないが、そうであるからこそ、行き過ぎた租税回避には厳しく対応する必要がある。

第77回
消費税率10%への引き上げに向けて「軽減税率」が議論されているが、低所得者対策の議論は不十分。「給付付き税額控除」について何ら議論していないからだ。そこで軽減税率、給付付き税額控除の効果を比べてみた。

第76回
消費税率引き上げの景気への影響が懸念されている。だが、重要なことは、その先にある経済・社会の姿を、社会保障・税一体改革の原点にさかのぼって考えてみることだ。その思いから、家計ごとの受益と負担の関係を試算してみた。

第75回
サッポロビールの「極ZERO(ゴクゼロ)」が酒類の分類を変えて再発売されることになった。背景にはビール税制の複雑さがある。こうした事態を避け、安くておいしいビールを飲むためにビール税制を簡素化すべきだ。
