sp-smartbusiness(4) サブカテゴリ
第348回
われわれは再び唯一の正しい答えはないという時代へと突入しつつある
ドラッカーとは、現代社会最高の哲人であり、マネジメントの父である。その現代社会の哲人としてのドラッカーの重要論文を編纂したものが、『イノベーターの条件』であり、そのなかで抜きんでて重要なものが、この「歴史にも境界がある」に始まる論文である。
第347回
組織の良否はそこに成果中心の精神があるかどうかによって決まる
人間は多様である。しかも、でこぼこした存在である。あることを得意とし、あることは不得意とする。得意なことを伸ばすのは簡単だが、不得意なことを直すのは至難である。そこで不得意なことを意味のないものとし、得意なものを引き出して組み合わせることが必要になる。
第115回
今回はソニーを扱う。1年7ヵ月ぶりの登場だ。避けてきたのには、ソニーの決算書を読み解くのは「しんどい」からだ。例えば「ソニーの営業利益」と「ソニー以外の企業の営業利益」とは「質」が異なることを、人々は理解しているだろうか。
第346回
マネジメントとは何にもましてものの考え方である
マネジメントとは何か。諸々の手法と手品の詰め合わせか。それとも、ビジネススクールで教えるように、分析道具のセットか。もちろん、道具としてのマネジメントも重要である。マネジメントとは、いかなるものの考え方か。
第345回
既存の大企業こそ企業家的なリーダーシップの機会と能力と責任を持つ
大企業に企業家精神は似合わないとは、虚言である。企業家精神を発揮している大企業はたくさんある。企業家精神に無縁の大企業こそ稀有というべきである。企業家精神抜きで生き残れているはずがないからである。
第344回
「高齢化社会」では高年者が扶養される側から扶養する側に回ることが必要
高年者は、あらゆる先進国において、いかなる弱者をも超えて突出する巨大な弱者である。増大を続ける唯一の弱者である。この弱者は、多様な層を横断的に網羅する。その意味で、もっとも普遍的な弱者である。誰もが、その一員になると考える唯一の弱者である。
第343回
創業者が貢献できるもの 他に抜きんでて貢献できるものは何か
ベンチャーが成功を始めたら、自らの役割を変えなければならない。しかし、具体的に何をどう変えたらよいかを知る者は少ない。どうしても、「自分は何をしたいか」から考える。あるいは「自分は何に向いているか」を考えてしまう。ドラッカーは、いずれも間違いだという。
第114回
今回は久しぶりに、メガバンクを扱う。本連載では4年2ヵ月ぶりの登場だ。これだけの間隔が空いたのには理由がある。銀行や証券などの金融機関では、経営指標の多くで崩壊することがわかっていたからだ。
第342回
ドラッカーは、対策は簡単だという。必要になる前にチームとしてのトップマネジメントを構築しておかなければならない。「チームは一日にしてならず。機能するようになるには、時間がかかる」。それでは、トップ・チームはどのようにして構築するか。
第341回
政府の役割は実行ではない“決定”と“方向付け”と“エネルギーの結集”である
「政府の役割は、社会のために意味ある決定と方向付けを行うことである。社会のエネルギーを結集することである。問題を浮かびあがらせることである。選択を提示することである」。この政府の役割をドラッカーは統治と名づけ、実行とは両立しないと喝破した。
第340回
貢献すべきは貢献したいことではない 貢献すべきことである
「自らの果たすべき貢献を考えることが、知識から行動への起点となる。問題は、何に貢献したいかではない。何に貢献せよと言われたかでもない。何に貢献すべきかである」。ドラッカーは、このようなことが問題になるようになったこと自体が初めてのことだという。
第113回
5月23日以降、日経平均株価の急落が示すように、企業業績は下降トレンドにあるのかどうか。それを検証するのが、本連載の主旨である。今回は自動車業界3社(トヨタ、スズキ、ニッサン)のデータで検証してみることにしよう。
第339回
質問によって行われるドラッカーのコンサルティング 究極の問いとは
ドラッカーのコンサルティングが、質問によって行われていたことはよく知られているとおり。ゲーテにもダンテにも先生はいた。しかし、2人とも、彼らの先生が思いもつかないほどの巨人に成長した。先生方の持ついかなるスペック(仕様)をも超えた。
第338回
事業の定義の陳腐化は進行性の病である しかも命にかかわる病である
事業の定義は3つの部分から成る。環境、使命、強みである。自らを取り巻く市場、顧客、技術などの経営環境であり、自らが使命とするものであり、自らが強みとすべきものである。ドラッカーによれば、この事業の定義が有効であるためには、条件が四つある。
第112回
ビッグデータ時代の到来である。筆者のように個人で経営分析を行ない、企業業績のトレンドを追うことは、やがて不可能になってくるように思える。いや、そうでもないようだ。
第337回
“基本”と“原則”は状況に応じて適用すべきもの 破棄してはならない
ドラッカーは、マネジメントにおいて致命的に重要な基本と原則が、どこにも明示されていないことに気づかされた。待っていても誰かがまとめてくれる気配はない。そこで、彼自身が書いた本が、『マネジメント─課題、責任、実践』だった。名著『現代の経営』を書いてから20年後の1973年のことだった。
第336回
組織は、そこに働く者が最高の仕事をすることを必要とする。そのためには、責任を持ってもらわなければならない。その責任を持たせるための処方が4つある。
第111回
今回のテーマはスターバックス、ドトール、マクドナルドの三社の「三つ巴戦」を展開することにある。三「社」三様の視点では、話の焦点がぼやけるので、店舗数で他社に劣るスターバックスが、上位2社にどれだけ食い込めるか、に視点を置いて述べることにする。
第335回
顧客満足とともに従業員満足が必須になる だが受け身ではない満足である
ドラッカーは、働く者から最高の仕事ぶりを引き出すには、いかなる動機づけが必要かを問う。通常、これに対する答えは、働く者の満足である。しかしドラッカーは、この答えはほとんど意味をなさないという。
第334回
トップたる者は自らが最も得意とすることを行わなければならない
ドラッカーによれば、成果を上げる人は、「外交的な人から内向的な人、おおまかな人から細かな人までいろいろだった」という。しかし彼らのあいだには、いくつかの共通点があった。そしてその筆頭が、なされるべきことを考えるという習慣だった。