岩中祥史
第27回
【徳島県】よく学びよく働き年に1度の阿波踊りで発散
かつてこの地の人々は、仕事をするのは遊ぶ=楽しい時間を過ごすためという生き方をしていた。だが戦国時代の終わり、大きな変質を余儀なくされた。そこで溜まったストレスを発散させのが阿波踊りの原点である。

第26回
【東京都】ストレスの多い環境を生き抜くタフな心身
東京は「都」だから、「県」民性などそもそもありえない、というのは冗談だが、21世紀の今、ローカリティに満ちた気質はやはり存在しないと言ったほうが正解のように思える。

第25回
【千葉県】 海に生きる人々の血が流れさばさばとしていて謙虚
首都・東京のすぐ隣に位置していることが、この県の「県民性」になによりも大きな影響を及ぼしている。年々歳々「東京」がそれを侵蝕してしまっているからである。

第24回
【島根県】 神様おわしますことが県民共通の誇り
全国で2番目に人口の少ない島根県ゆえに、島根県出身の人と知り合うことはごくまれである。だが近頃は、石見銀山が世界遺産に指定されたり、NHKの朝ドラの舞台になったりと、話題になる機会も多いようだ。

第23回
【静岡県】 東のほうはのんびり 西はビジネスにシビア
今でこそ全国でも13番目に面積が広い静岡県だが、江戸時代までは3つの国に分かれていた。全体的には、温暖な気候の影響で穏やかでのんびりしているが、それぞれの地域で人々の気質も大きく異なっている。

第22回
【滋賀県】 妙なプライドは持たず開放的で情報が早い
海がないとはいっても、海と見まがうほど大きな印象を与える琵琶湖があるせいか、滋賀県人は総じて開放的で気さくである。また、情報の早さという点では、下手をすると京都や大阪をもしのいでいた。

第21回
【佐賀県】 個を抑えて陰に徹し節約を旨とする
お笑い芸人の「はなわ」や映画にもなった「がばいばあちゃん」のおかげもあってか、近頃にわかにメジャーになりつつある佐賀県。しかし、それでもなお、全国的にはまだまだその名が知られているとはいいがたい。

第20回
【埼玉県】 県民意識は薄く首都東京を隣で支える
「埼玉都民」という、言い得て妙な言葉がある。実際の話、埼玉県内に住んで就職・就学している391万人のうち28.8%、約3分の1は県外(ほとんどは東京)に通っているのだ。

第19回
【高知県】 旺盛な反骨精神 自由奔放で独創的
県民性を考えるにあたってのポイントにはいくつかあるが、私が重視していることの一つに「辺境度」がある。これは、その県が地理的な中心地からどれほど隔たっているかを意味している。

第18回
【群馬県】男も女もカラっと陽気で一本気
昔から「かかあ天下とからっ風」が上州の名物だとされている。「かかあ天下」だから、亭主は尻に敷かれっぱなしなのかと思われがちだが、そうではない。

第17回
【熊本県】心清く、きまじめ。率直なもの言いは明るさでカバー
九州はどの県も一つひとつの県民性がはっきりしている。特に、遠く古代、「熊襲」とか「隼人」とか呼ばれる人びとが住んでいた九州南部は、北部と趣が大きく異なる。

第16回
【京都府】口調はゆるりでもプライドの高さは天下一
京都人は、プライドの高さにかけては全国ナンバーワンといってよい。そんな京都人にかかると、こちらが何を主張しても、歯が立たない。その気質をあれこれ論じてみても、「まあ、そないな見方もありやすやろ。でもなぁ……」と肩透かしを食わされておしまいである。そのときの表情には余裕というか気品さえ漂っている。今は首都であっても、京都人から見ればまだまだ“仮の都”であり“新参者”である東京の人びととはまったく異質ではなかろうか。

第15回
【岐阜県】素直でおとなしい美濃の人 気品感じさせる飛騨の人
『岐阜は名古屋の植民地!?』と題する本がかつて、ローカルではあるがベストセラーになったことがある。タイトルだけからすると、自立していないのかと思われそうだが、決してそういうわけではない。

第14回
【神奈川県】「動」と「静」エリアで傾向が分かれる
神奈川県は、千葉県、埼玉県と並んで、首都・東京と隣接しているせいもあり、その地域性を東京に吸い取られる一方だ。東京人ほど精神的なタフさが要求されないから、多少はのんびりしたところがあるのが救いだろう。

第13回
【沖縄県】楽観的な琉球国民気質!出会った人はみんな友達
出会った人はみんな友達!底抜けといってもいい楽観主義こそ、沖縄人の生き方の基本を支えている。だが、この県の歴史をちょっとたどってみるだけで、沖縄県は日本の一部ではあっても、本質的には決して日本ではないことがわかる。どちらかというと内気で奥ゆかしい気質で、日本の一部ではあっても「琉球国」の国民性なのだ。海を相手に生きてきた人びとにとって、自然には逆らえないと考えるのは当たり前ともいえる。

第12回
【岡山県】 温厚な雰囲気ながら、商才に長け、自己を主張
長野県と並び、教育水準が全国最高レベルといわれる岡山県。商才に長け、自己主張も強く、周囲を頼らないで行動する自立した人が多い。ただし、温暖な気候と晴天の多さゆえか、温厚な雰囲気も持ち合わせている。

第11回
【大阪府】 「笑い」や「しゃべくり」で息苦しさを吹き飛ばす!
大阪市内を歩いて感じるのは、息苦しいばかりの町並みである。そういうところに長く住んでいれば、どうしたって息抜きが必要になってなってくる。「皆が芸人」というべきギャグの洪水も、その一環にちがいない。

第10回
【鹿児島県】 強さを内に秘め、口先よりもまず行動
NHKの大河ドラマ「篤姫」の舞台として注目された鹿児島県。特徴的な薩摩弁のせいもあって、鹿児島県人は概して無愛想で無口。逆に言えば、あれこれ考えて口にするよりまずは行動という生き方を好むということだ。

第9回
【香川県】目立つ行動に出るよりも、のんびり成り行きまかせ
全部で47ある都道府県名のなかでもかなり地味な方に属する香川県。いい意味でも悪い意味でも人より目立つ行動に出ることは少ない。順応性、協調性となると、香川県人はとても長けたところがあるのだ。

第8回
【大分県】 地元を離れてこそ才覚を発揮!?
大分県人は地元を離れたほうが才覚を発揮する傾向が強い。さらに地域起こしの妙案を発案するのも得意で、「一村一品運動」はその気質を逆手に取った結果ともいえる。
