
瀧口範子
第66回
スマートフォン市場の拡大を背景に、一躍、音楽検索サービスの代名詞となったシャザムという企業をご存じだろうか。その躍進は、ネットビジネスにまだまだ大きな商機があることを教えてくれる。

第65回
グーグルの携帯OS「アンドロイド」搭載端末が3年後に、アップルのiPhoneを抜く。そんな衝撃の予測が米調査会社から出た。実際、世界中で採用が相次ぎ、アップルも安穏としていられない雰囲気となってきた。

第64回
グーグル書籍検索を巡る訴訟に新たな展開があった。グーグルと米作家協会・米出版社協会の和解案に対して、司法省などから意見が提起され、修正が施されることになったのだ。キーパーソンに今後の展開を聞いた。

第63回
電子書籍リーダーに続き、出版界に新たな黒船が押し寄せてきた。見た目はコピー機。これが買い手の欲する書籍データを読み出し数分で製本してしまう。オンデマンド・ブックス社のこの製本機エスプレッソは、すでにハーバード大学など世界約25カ所で稼働中だ。オンデマンド・ブックスは先日、グーグルとの提携を発表。グーグルが保有する約200万冊の書籍データを加え本格的に出版界に乗り込んできた。

第62回
常識外れの価格破壊で話題を呼ぶ米ジェットブルー。だが単なる格安エアラインではない。座席は革張り、娯楽や機内食メニューも充実。大手エアラインが不況に喘ぐ中、安くても高級感のあるサービスで旅客数と収益を伸ばしている。

第61回
アメリカに「bellwether(ベルウェザー)」の異名を持つ企業がある。羊の群れを先導する鈴付きの雄羊、転じて、景気の先行指標的存在を指す。フェデックスは、まさに、その代表格だ。

第60回
ビートニク(ビート族)をもじってピートニクと呼ばれる熱烈ファンを持つピーツ。スタバの生みの親でもあるカリフォルニア発祥のコーヒー・チェーンは、米国企業らしからぬ石橋を叩いて渡る経営戦略で着実な成長を遂げている。

第59回
新型インフルエンザが猛威を振るう中、人工呼吸装置とあだ名される超高性能マスクを開発し改めて注目される3M。マスキング・テープやポスト・イットを生み出した同社のイノベーション力は知らぬ間にこんなに進化していた!

第58回
ミネソタ州の小さな町に、オバマ大統領が絶賛する総合病院がある。有力誌の病院ランキングで毎年最上位に入り、世界中から難病を抱えた患者が訪れることでも知られるメイヨー・クリニックだ。その凄さの秘密とは?

第57回
所属する女性記者二人が北朝鮮に拘束され、解放劇にクリントン元大統領も登場したことで一躍脚光を浴びたカレントTV。日本ではCATVチャネルと紹介されているが、実体は違う。その特異な事業モデルを見てみよう。

第56回
ホールフーズ・マーケットなる米国企業をご存じだろうか。創業から30年余りで自然食品小売業の代名詞的な存在にまで躍進したスーパーチェーンだ。この不況下で増収増益を確保。あのウォルマートも注目する独創経営の源泉を探った。

第55回
7月29日、マイクロソフトとヤフーの“検索提携”が発表された。18ヶ月前に勃発したマイクロソフトによるヤフー買収騒動がようやく決着した格好だ。だが、この提携への市場の冷淡な反応に一番驚いたのは両社のCEOだろう。マイクロソフト株は1%とやや上昇したが、ヤフー株は12%も下落した。18ヵ月前、マイクロソフトが提示した買収額は450億ドルだったのに、今回はただの提携話。ヤフーの株主は、すっかり気落ちしてしまったのかもしれない。

第54回
6月末、約半年におよぶ医療休暇から戻ったスティーブ・ジョブズ氏。しばらくは週に2、3日というパートタイムの業務にとどまる彼をまず迎えたのは、アップルの好業績のニュースだった。2009年第3四半期の売上高は前年同期比12%増の83億4000万ドル。快進撃を続けるiPhoneは同四半期中に520万台を売り上げ、なんと626%もの伸びを示した。だが、ジョブズ氏はこの好業績に浮かれることなく、ある製品の開発の進捗状況を病床で身近にモニターしていたという。

特別編
eコマース・サイトは「どこまできめ細かなマーケティングができるか」を目指している。解析というユーザー行動を測定する方法はあるが、その結果を実際のサービスにどう統合するかはマーケッターの手腕にかかる。

第53回
ソーシャル・ネットワーキング・サイト(SNS)のフェースブックが大きな注目を集める中、本格的に実力を伸ばしてきたもうひとつのSNSがある。リンクトインだ。リンクトインがスタートしたのは2003年。フェースブックの何年も前のことだ。現在の登録ユーザー数は4300万人で、フェースブックが誇る2億5000万人にはとうていかなわないが、この経済危機で職探しをする人々が増えて、いっきに注目が集まっている。

第52回
グーグルがオペレーティングシステム(OS)の開発計画を発表し、アメリカのテクノロジー業界に波風が立っている。「クロームOS」という名前のこのOSの詳細は、ほとんど分かっていない。ただ、OSの開発に否定的だったエリック・シュミットCEOが「開発者たちの熱心さに負けた」と認めたとおり、その開発はグーグル内部では随分前から進められていたらしい。巷間言われている狙いはマイクロソフト対抗だが、関係者の声を拾うと、もっと複雑な裏事情が浮き彫りになる。

第51回
夏休みといえば、学生もまばらな日本の大学とは違い、特別授業が豊富なスタンフォード大学のキャンパスは常に人でごった返している。子供から大人向けまでメニューは実に多彩で、ビジネスモデルとしての完成度も極めて高い。

第50回
アップルが、タブレット型PCを発表するのではとの見方が広がっている。タブレットのスクリーンサイズは12インチか13インチで、iPhoneをひと回り大きくしたような形態。むろん通信が可能だ。つまり、廉価版ラップトップ、いわゆるネットブックであろうという噂なのである。iPhoneの新モデルの機能や価格設定を見ると、あながち噂とも言い切れない。本当ならば、ネットブック市場の秩序を根底から覆しそうだ。

第49回
急成長中のネットブック市場に、ディズニーが名乗りを上げた。自慢のキャラクターを駆使し、子供を持つ親にアピールしたい考えだ。だが同社は実は過去に同じ作戦で失敗したことがある。今回は何が違うというのか?

第48回
検索エンジンの競争は、もう何年も前に終焉したと信じていた人は多いだろう。グーグルの検索市場シェアは60%以上。2位のヤフーですら約20%にすぎない。残りを分けるのは、種々雑多な「その他」のサービスだ。ところが、この期に及んで、グーグルに挑戦状を叩きつけたプレーヤーがいる。ほかでもない、マイクロソフトだ。検索市場でのシェアが9%にも満たない同社は、新しい検索サイト「Bing」を立ち上げ、「その他」群からいきなり名乗りを上げたのだ。
