井手ゆきえ
第365回
がん代替療法の選択で死亡率は最大5倍超に、米国の研究
誰でもがん治療は怖い。告知のショックから立ち直る間もなく情報の波に翻弄され、重大な決断を迫られる。この選択が自分の生命を左右するかもしれない、という恐怖に不安が募る。んなとき「がんが消えた!」「免疫でがん細胞をたたく」等の“万能感”と“わかりやすさ”が差し出されたら、どうだろう。

第364回
「手洗い」こそ感染症予防に最強!米CDC推奨の方法とは
インフルエンザに食中毒と、秋~冬にかけては感染症に注意が必要な季節。発症してから慌てるより予防に力を入れよう。感染症の予防策のうち、手軽だが最も強力なのは「手洗い」だ。外出後や食事の前には必ず手を洗いたい。幼児じゃないんだからと侮るなかれ。

第363回
認知症になっていない69~71歳は何を食べてきたか
男女とも「人生80年」が当たり前になった日本人。健康寿命を引き延ばし、いかに認知機能を維持するかは個々人の生活習慣にかかっている。そこで気になるのは認知機能を保っている高齢者の食生活だ。

第362回
もし妻が乳がんになったら、配偶者にはどんな影響があるか
今月はピンクリボン月間──乳がん啓発月間だ。日本の女性は40歳未満の若年成人と60歳未満の閉経前に発症のピークがある。乳がんは現役世代を直撃するのだ。万が一、妻が乳がんに罹患したら配偶者にどんな影響があるのだろう。

第361回
インスタの投稿写真でうつ病を診断!?ハーバード大が研究
誰でも何かをきっかけに、落ち込む、眠れない、食欲不振など「うつ状態」を経験する。しかしどこまでが普通の反応で、どこから「うつ病」なのだろう。個別の条件が複雑すぎて専門医でも一線を引くことは難しい。それではビッグデータから、うつ病に特有のパターンを見いだせないだろうか。先日、写真や動画を共有するソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の投稿写真を利用し、投稿者がうつ病かどうかを推測するプログラムの検証が行われた。

第360回
秋の登山でも水分補給を、脱水が体重の2%で危険水域に
紅葉を求めて、山へと足が向く季節だ。一時期頭打ちだった登山人口も、富士山の世界遺産登録を機に増加に転じている。ただし4割以上は60歳以上の中~高年齢者。高血圧や糖尿病など「登山リスク」を抱えている人も多い。侮れないのが脱水と熱中症だ──秋の山でも。

第359回
新ダイエット法「1日1~2食で夜は絶食」、米医科大の研究より
現代人の「趣味」になった感があるダイエット。ダイエット法の新説、奇説が毎日生まれては消えている。先日、新しい方法がもう一つ加わった。

第358回
ビタミンB群の過剰摂取にご注意、男性の肺がん発症リスクが上昇
先日、米国の「ビタミンとライフスタイル研究(VITAL研究)」から、ビタミンB群サプリメントの長期服用で、男性の肺がんリスクが上昇するとの報告があった。VITAL研究は米ワシントン州在住のサプリの愛用者、およそ7万7000人を対象とした調査。サプリ摂取とがんとの関連を検討している。登録時年齢は50~76歳で、男女比はほぼ1対1だった。

第357回
血液型O型は天性のマラソンランナー!?伊大学が調査
血液型と性格、病気等々、ABO式血液型の話題は尽きないが、イタリア・ヴェローナ大学の研究によるとO型は天性のマラソンランナーらしい。この研究は同大学の生物医学教室が主催するランニングと科学のイベント、「R4S(ラン・フォー・サイエンス)」で実施された。

第356回
電子たばこで禁煙成功率向上、約16万人の全米調査で判明
電子たばこの健康リスクに関しては結論は出ておらず、各国の政策もバラバラだ。たとえば英国では、ニコチンリキッドを使う電子たばこが禁煙補助剤として利用されている。一方オーストラリアでは、ニコチンリキッドの販売自体が全面的に禁じられている。

第355回
国民の「肥満率」を上げる原因とは?72万人調査で判明
歩かない、座りっぱなしの習慣は近年、「肥満」という健康リスクを誘発するとして、世界的に問題視されている。歩行に関する基礎データを集めるべく、米スタンフォード大学の研究チームが、スマートフォンのアプリケーションを介して世界111カ国、約72万人分という膨大なデータを収集。合計6800万日分、平均95日間の歩行を調査し、さらに、46の国と地域のデータを詳細に分析した。

第354回
認知症予防に10代から意識すべき「9つの要因」
先日、世界四大医学誌のひとつ「ランセット」に認知症の発症と関連する10リスク因子が発表された。同誌の「認知症予防・介入・ケア委員会」によると、10因子のうち、遺伝的要因を除く9因子は「修正が可能」であり、すべて改善できれば「認知症の発症リスクを35%低下させる可能性がある」という。

第353回
10代の望まない妊娠を防ぐ、長期間効果がある避妊法は
米国立健康統計センターの調査によると、米国のハイティーン男女のセックス経験率は40%程度のようだ。

第352回
ヒアリへの対処、症状が重い「アナフィラキシー」に要注意
この5月以降、神戸、名古屋、大阪の各港で強い毒を持つ南米原産の「ヒアリ」が確認された。日本国内に定着した可能性が指摘されている。環境省自然環境局は、2009年に公開していた「ストップ・ザ・ヒアリ」を再度周知し、一般に注意を呼びかけている。

第351回
7月28日は世界肝炎デー、ウィルス検査には公的補助も
知名度は低いが7月28日は「世界肝炎デー」である。肝炎と聞くと脂肪肝やアルコール性肝障害が思い浮かぶが、この日は特に、ウイルス性肝炎に焦点を当て啓発が行われる。日本では、非転移性(原発性)肝臓がんの1、2割はB型肝炎が、6割はC型肝炎が原因とされている。

日本人は紫外線が関与しているとされる皮膚がん、メラノーマの発症率が低いため、紫外線の健康リスクに無頓着な面があったが、このところ毎年のように猛暑が来ることもあって紫外線対策が浸透してきた。

第350回
公平な判断をするには高炭水化物食がいい!?独大学の実験で報告
炭水化物、つまり主食をしっかり食べたほうが目の前の損得に影響されないようだ。独リューベック大学の報告から。

第349回
熱中症は梅雨明け~お盆に多発!運動・仕事中の男性と高齢者は要注意
日本救急医学会によると、熱中症の救急搬送は、梅雨明けの7月上旬から上昇、7月中旬~8月上旬にピークを迎える。発症時刻は12~15時が最も多い。熱中症=高齢者のイメージが強いが発症数をみると、実際は運動中や仕事中の10代~壮年男性の比率が高い。「男性」は熱中症のリスクの一つなのだ。

5月以降、神戸、名古屋、大阪、東京の港湾などで相次いで確認された南米産の「ヒアリ」。いたずらに恐れる必要はないが、夏休み前に適正な情報を知っておいて損はない。

第348回
尿のpHで糖尿病の発症予測、酸性度が高いとリスク上昇
前糖尿病、いわゆる2型糖尿病予備群は40歳以上の日本人男性の6人に1人、女性の8人に1人だといわれている。かといって、職場や自治体の健診で「黄色信号」が灯った日くらいは節制しても、一晩寝ればどこ吹く風。自覚症状がないので、何か動機付けがないと続かないのだ。
