井手ゆきえ
第397回
背が高い男性はがんに注意、身長と死亡リスクの関係
国立がん研究センターなどが実施しているJPHC研究は、生活習慣とがんや脳・心血管疾患との関係を調べている。そのJPHC研究から、「日本の成人男女は、身長が高いと脳卒中で死亡するリスクが低く、逆にがんで死亡するリスクが高い」という結果が示された。

第396回
高血圧を外科的に治療「腎デナベーション」が実用化目前
利尿薬を含め、3種類以上の降圧剤を飲んでいるのに、目標値まで血圧が下がらない人を「治療抵抗性高血圧」という。今までは薬を重ね、生活習慣を厳しく管理するしか手だてがなかったが、高血圧を外科的に治療する「腎デナベーション」が実用化目前にある。

第395回
アトピーの最新治療、健康な皮膚の「常在菌」を移植
近年、健康な人の常在菌叢を患者に移植する治療法が注目されている。米国では、多剤耐性菌による腸炎の再発予防に腸内細菌叢の移植治療が承認され、院内感染の拡大抑制に効果を上げた。このほか、過敏性腸症候群、クローン病などの炎症性腸疾患に対する腸内細菌叢移植の研究も盛んだ。

第394回
プロテインを摂るのは筋トレ直後と食事中のどちらがいいか
レジスタンス運動(筋トレ)ブームに乗って、プロテイン・サプリメント(プロテイン)を摂取する人が増えている。問題はそのタイミングだ。一般に筋肉の増強を目指す人は、筋トレ後30~45分以内のいわゆる「ゴールデンタイム」にプロテインを飲むことが多い。

第393回
大量飲酒の恐さ、認知症発症リスクが3倍以上に
世界保健機関(WHO)が公表している「国際疾病分類(ICD)」の現行版ICD-10では、飲酒に関わる問題を「有害な使用」と「アルコール依存症」に大別している。「有害な使用」に相当するのは、精神的、身体的な健康が実際に損なわれているケース。社会通念に反し、社会生活や家族関係の破綻、あるいは逮捕されるような状況だけでは、アルコールに関係した問題とは診断されない。

第392回
激辛唐辛子を甘く見るな!食べたら「稲妻のような頭痛」の症例も
激辛唐辛子を甘く見ると、相当辛い目にあうようだ。米バセット医療センターの報告。一部の人に熱烈に愛されている激辛唐辛子。毎年、世界のどこかで激辛唐辛子にかぶりつく「ホットソース・コンテスト(激辛コンテスト)」が行われている。

5月31日は「世界禁煙デー」。「望まない受動喫煙」対策を巡るゴタゴタを見ても完全屋内禁煙への道のりは遠い。最近は「加熱式たばこ」や「電子たばこ」のシェアが急増し、新たなリスクになりつつある。

第391回
心筋梗塞や脳卒中も家族に病歴でリスク2~4倍に、運動で予防を
先天的な心疾患だけでなく、心筋梗塞や脳卒中にも「家族歴」がある。親や兄弟姉妹に病歴がある場合、本人が脳・心疾患を起こす確率は家族歴がない人の2~4倍に上昇。

日本は乳幼児を対象に予防接種が行われてきた。その結果、2015年には土着のはしかウイルスが存在しない「排除状態」にあるとWHOに認定されている。しかし、その後も「輸入感染」による感染例が報告されている。

第390回
帯状疱疹は予防できる時代、50歳以上はワクチン接種を
疲れがたまると暴れだす「帯状疱疹」。加齢もリスク因子で50代以降に発症率が上昇し、60代でピークを迎える。

ゴールデン・ウィーク(GW)前後になんとなく身体がだるくなり、うつ状態になったり、やる気が低下してしまう状態を総称した呼び方の「五月病」。その背景と対処方法について、新宿ゲートウェイクリニック・吉野聡院長に話を聞いた。

第389回
資産の75%以上を失うショック経験で死亡率1.5倍に、米調査
この数年、社会・経済的な貧困は健康を損なうことが広く認知されるようになった。健康的とはいえない食生活やヘルスリテラシーの低さ、家計に占める医療費の低さなど理由を挙げれば切りがない。

第388回
10代が性的画像をスマホで無防備に送信してしまう理由
セクスティング、という言葉をご存じだろうか。sex(性的な)+ texting(メッセージのやりとり)からの造語で、スマートフォン(スマホ)などを介して性的なメッセージや画像をやりとりする行為を指す。恋人同士のポジティブなコミュニケーションから、リベンジポルノ、いじめ、ハラスメントまでさまざまな側面を持つ。

第387回
子供のエナジードリンク摂取に米国スポーツ医学会が警告
欧米では販売を薬局に限定するほか、18歳未満の青少年に対する販売を禁止する法律や条例が施行されるなど、一定の制限を設ける動きが広がっている。今年3月にも、米国スポーツ医学会が公式声明として、小児の摂取に対し警告を発した。

第386回
パンは意外に「塩分」が多い、世界32ヵ国・地域調査で判明
英国の減塩推進団体にルーツを持つ「塩と健康に関する世界行動(WASH)」が世界32の国と地域で流通する食パン──白パン、全粒.混粉パン、ナン、ピタパンなどの平たいパンを調査した結果、100グラムあたりの塩分含有量が最大2.65グラムもあったのだ。これは海水の含有量に匹敵する。

第385回
高血糖で認知機能が低下、健康的な生活が脳を守る
高血糖が血管の内側を傷つけ「血管の障害」を引き起こすことはよく知られている。血管の内側は血液が流れやすいように「内皮細胞」でいわばコーティングされているのだが、高血糖に曝されるとコーティングが剥がれ、機能が損なわれてしまう。

第384回
心筋梗塞の自覚症状は「胸痛」ばかりではなく、男女差もある
報道によると、ドラマの収録後に共演者と食事に行き、ホテルの部屋に戻った時点で「腹痛」を訴えたという。その後、搬送先の救急病院で亡くなられた。

第383回
完璧主義者がうつにならないためには「自分をいたわる」といい
春は新しい環境への期待と不安が混在する季節だ。ことに完璧主義の人は、不慣れな環境に置かれると頭から「こうあるべき」「ねばならない」と自分を追い詰めてしまう。自己批判を繰り返し抑うつ状態になるほか、失敗への不安を無意識に避けようと与えられた課題や仕事を先に延ばしてしまう。

第382回
片頭痛持ちは心筋梗塞や脳卒中になりやすい、デンマークでの調査より
日本の片頭痛人口はおよそ840万人、1対3で女性に多い。発症年齢は男性20~30代、女性30~40代が最も多く、慢性的な片頭痛に悩む現役世代は少なくない。また、女性はホルモンの関係で10代の発症率が男性のおよそ3倍にもなる。10代の少女が「頭が痛い」としょっちゅう訴えるようなら、学業に支障がでる前に頭痛外来を受診するといいだろう。

第381回
シリコンバレー草創期の立役者らがネット依存警鐘団体を設立
インターネットやスマートフォン、ゲームの「病的な影響」を指摘する研究が相次ぎ、社会問題化している。今年1月には米アップルの大株主である機関投資家が、「過剰なスマホ使用が子供の心身の健康にどう影響を及ぼすのか」を調査するよう同社に要請。放置すれば「スマホ依存」がますます社会問題化し、同社の株価に打撃を与えかねない、というのだ。
