
島本幸治
第17回
1995年の阪神淡路大震災は、デフレマインドに向かう大きなターニングポイントだった。それに対して、東日本大震災が発生した2011年は、デフレマインドから転換に向かうターニングポイントになる可能性がある。

第16回
日本は大変な試練に晒されている。その試練はあまりに巨大で全容すら見えず、とても将来が見通せる段階にはない。それでも、経済や金融市場はその機能を維持し続けなければならない。震災後の日本を占うシナリオとは?

第15回
東日本大震災で日本経済が被るインパクトは、今後多岐にわたることが予想される。地震と津波、計画停電や自主節電、原発問題、株価といった4つの重大ポイントを軸に、大震災がもたらす経済的コストを徹底的に試算した。

第14回
2010年は、株式、金利、債券ともに「通貨戦争」の影響を大きく受けた。足もとで続く円の独歩高の先行きを、どう見たらいいだろうか? 過去を振り返ると、結局為替は米国の通貨政策でしか決まらないという現状も見えてくる。

第13回
中東情勢や国内政治の混迷など、足もとでは不透明感が募っている。日本経済に与える影響が大きいと言われるこれらの不要素は、実際のところ、金融市場にどのような影響を与える可能性があるだろうか?

第12回
日本って意外に新興国? 2011年の景気を展望するキーワードは、これかもしれない。実は、鉱工業生産のボラティリティとCPIに占める食料ウェイトの高さという二点において、日本の状況は新興国と類似しているのだ。

第11回
日本は貿易で成り立っている国だというイメージが強い。しかし、それは本当だろうか? 実際は、日本は世界的に見れば輸出依存度が低い。また、「値引き輸出と値上げ輸入」という状況を続けており、交易の採算が悪化している。

第10回
2011年の日本市場はどう動くか、足もとの状況を見ながら、展望を述べよう。バランスシート調整が一巡した後、日本ではマインドの改善によって、日本株見直しの気運が盛り上がるだろう。しかし、やはり「持病」は続きそうだ。

第9回
先進国の金融緩和の影響で、世界的な資源インフレが顕著になっている。食糧危機さえ招きかねないなか、先進国に批難が集中するのは避け難い。「財政緊縮」「金融緩和」というポリシーミックスの見直しは、進むだろうか?

第8回
2010年11月以降、景気の局面が変わった可能性がある。鉱工業生産指数などに、その萌芽が見られる。今回の景気エンジンを分析すると、「表の主役」は輸出、「隠れた主役」は在庫サイクルだと言えるだろう。

第7回
高齢化する日本経済にとって、経済成長戦略は重要な政策だ。しかし、将来性が高いと言われる医療・介護・福祉などのサービス分野へ雇用を集めるだけでは、逆効果になる可能性もある。重要なのは、「生産性」を考えることだ。

第6回
2011年は景気回復の年である一方、内外の経済政策が撹乱要因となりそうだ。特に4-6月期は日米欧の先進国で、一斉に政策や政局が波乱含みの時間帯となる。金融市場の先行きをどう見ればよいだろうか?

第5回
日本の女性の労働参加率を年齢別に見ると、その形は「M字」となる。ここにきて、そのM字の落ち込みが浅くなりつつある。しかし、喜んでばかりもいられない。背景には、女性の未婚化や夫の失業増加という、少子化に関わる問題もあるからだ。

第4回
日本企業の資本増強は堅調に進んでいるが、その内訳を見ると、有形固定資産が増えておらず、専ら長期の株式投資が増えている。その背景には、国内投資を抑制して、海外の設備投資を優先しようとする心理が見える。

第3回
不安に覆われた日本経済に、意外な景気回復のトレンドが見え始めている。いったいなぜ、年の瀬を迎えて日経平均株価が1万円台を回復し、長期金利が1%台に上昇し、ドル相場が安定し始めたのか。その背景を探る。

第2回
菅首相は、代表選中に「一に雇用、二に雇用、三に雇用」をアピールした。だが、雇用はそれ自体で需要を生み出すことはできず、産業競争力の強化こそが必要となる。キーワードは、「トリクルダウン」(trickle down)だ。

第1回
11月18日に1万円台を回復した日経平均株価。わずか3週間で約10%もの急上昇に、驚いた市場関係者も多いだろう。今回は、最近の日経平均株価の変化の背景にある、「興味深い事実を」ご紹介しよう。
