
山崎 元
第378回
トヨタ自動車が特殊な株式を発行する。投資家には魅力的に映りそうな内容だ。企業の資金調達手段としても注目に値する。ただし投資家は注意すべき点もあり、またどの企業でも真似できる類いのものではない。

公募投信残高の100兆円突破が確実になってきた。だがその内容は、手放しで喜べるものではない。投信ビジネスでは金融庁の規制を見込んで高分配で釣る商品の“駆け込み販売”が行われており、新たな手口も登場している。

第376回
株価水準についてコメントすることは、日銀にとって長らくタブーだった。だがアベノミクスで今や株価は金融政策の手段の一つになっている。国民にとっても日銀自身にとっても重要な問題であり、堂々と議論すべきだ。

第375回
お金の運用に関して、多くの人がさまざまな「こだわり」を持つが、それらは往々にして非合理な行動に陥る「ヤバい」罠である。一方で、あまり気付かれていないが「ヤバいくらい有効」なこともある。

第374回
維新の党を除名された上西小百合議員の行動は、その稚拙さから新入社員の問題児を連想させる。そう考えると、「株式会社・維新」は採用と社員教育、さらにトラブル処理に問題があったのではないか。

第373回
日銀の物価上昇率「2年で2%」目標は、現時点では未達と言わざるを得ない。株価と景気にプラス効果があった一方で、副作用も大きくなってきている。これらを踏まえて、投資家は今後の経済環境をどう考えるべきか。

第372回
GPIFの「投資原則」が発表されたが、運用に関する非常識をさらした内容だ。何が問題か、図を使って分かりやすく説明する。さらにこれを反面教師として、個人の資産運用をどうしたらいいか解説しよう。

第371回
上場会社の行動指針原則を述べた「コーポレートガバナンス・コード原案」が発表された。株式持ち合い解消などの契機となり得る、なかなかよくできた内容だ。特に銀行は、この機に保有株式を一気に売却してはどうか。

第370回
株価が1万9000円を超え、官製相場の主役と目されるGPIFへの関心が高まっている。問題とされていたそのガバナンス改革は先送りとなった。だが、そもそも問題の根幹はGPIFではなく厚労省にある。

第369回
現在の「大金融相場」は、そろそろ終盤に差し掛かっていると考える。1980年代後半のバブル時との比較、米国利上げ観測への市場の反応などから考えて、今年後半から来年には終わりを迎える可能性が高い。

第368回
政府が力を入れる「ガバナンス改革」の一環として、企業は2名以上の独立性の強い社外取締役を置くことを要求される。これは、本当に企業を活性化するのか。かえって会社の足を引っ張ることにならないか。

第367回
黒田日銀総裁が、安倍首相に財政再建努力の必要性について直言したと報じられた。黒田総裁の強硬姿勢には、「本音」「演技」の2つの可能性がある。他方で、将来の金利急騰リスクは想定しておくべきだ。

第366回
「ラップ口座」が流行の兆しを見せている。金融機関が力を入れ始めたことが背景だが、運用を彼らに任せきりにしていいのか、手数料設定は妥当なのか。はっきり言おう。ラップ口座での運用は、やめた方がいい。

第365回
人生を左右する最も大事な時期は、大学進学者の場合、大学1、2年生の頃ではないか。もちろん仮説に過ぎないし、個人差もあろうが、筆者自身、当時の自分を振り返るにつけ、最近そう思うようになった。その理由を読者諸氏にお伝えしたい。

第364回
筆者は「職域NISA」という単語を目にしたときに、軽く目が回りそうになった。これは、金融機関がNISAを従業員の福利厚生として採用させ、その先の個人を獲得しようとする「BBC営業」である。顧客はどのように囲い込まれていくのか。

第363回
住宅は、賃貸で住むのがいいのか、購入するのがいいのか? これは、雑誌などで繰り返し取り上げられる、いわば「永遠のテーマ」の1つだ。筆者このテーマに対して中立派だが、投資として考えた場合にどちらがよいかを検証してみよう。

第362回
先日、「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2014」というイベントが開かれた。目の肥えた投資家が選んだファンドの特徴を分析しながら、読者諸氏が本当に買っていい投資信託のポイントを解説しよう。最大の留意点は「手数料」である。

第361回
昨年は、幅は小さかったが明確に物価が上昇し始めた「調整インフレ元年」として、将来振り返られることになるのかもしれない。少し古い言い方だが、調整インフレの時代に日本が入ったという仮説を立てて、これからどうなるのかを考えてみよう。

第360回
ある経済メディアが主催する会合で、日本経済の来年の予想を問われたとき、筆者はバブルが起きる可能性を指摘した。では2015年に対して、1989年のような「バブルの仕上げ」のイメージを持つことは正しいだろうか。筆者の考えを述べてみたい。

第359回
今回の総選挙で、民主党は事前予想ほど票を伸ばせなかった。かつて政権の座にいた民主党がボロボロになってしまった経緯には、企業にとっても個人にとっても教訓とすべき失敗が山のようにある。これまでの民主党の失敗を、振り返ってみよう。
