
加藤 出
日銀のインフレ目標「未達成」が安倍政権の支持率を支える皮肉
チリ政府は10月6日に首都サンティアゴの地下鉄運賃を30?(約4.5円)引き上げると発表した。朝夕のピーク時における初乗り料金の4%に相当する値上げだ。

中国が「トランプ再選」に傾く?米中貿易戦争の形勢変化に注意
10月下旬に北京と上海で中国経済の現状について話を聞いて回った。中国経済が米中貿易戦争以前よりも減速しているのは事実だが、日本で多く見られる論調ほどは悪化していないと感じられた。

MMTが主流にならない理由を「ストーンズの名曲」で読み解く
「いつも欲しいものが手に入るわけじゃない」──。英ロックバンド「ザ・ローリング・ストーンズ」が1969年にリリースした「You Can? tAlways Get What You Want」(邦題「無情の世界」)において、ボーカルのミック・ジャガー氏はそのフレーズを切々と歌っている。

日銀のマイナス金利深掘りが「再増税」リスクを高める理由
欧州と日本はブラックホール的な金融政策を実施している」米ハーバード大学のローレンス・サマーズ教授は、英紙「フィナンシャル・タイムズ」への最近の寄稿で、欧州中央銀行(ECB)と日本銀行が実施しているマイナス金利政策の効果に対して、そう懐疑的な見解を示していた。

「この数世紀にわたって、資本主義を支えてきた経済成長の多くは、実際には、若者を中心とするより多くの人口によってより多くが消費された結果にすぎなかったのかもしれない」。米国の作家・投資家のザチャラー・カラベル氏は、米外交専門誌「フォーリン・アフェアーズ・リポート(FAR)」2019年10月号の論文「人口減少と資本主義の終焉」でそう述べている。「未来の戦争や紛争を考える上でも、人口は重要な要因だ」と考える彼は、同論文で今年出版された人口に関する2冊の本を紹介していた。

「週刊ダイヤモンド」の前号の特集は「銀行・証券断末魔」だった。実際、金融機関に勤める若い世代に話を聞くと、明るい将来を描けていない人が多い。

独大衆紙「ビルト」は、ドラキュラ伯爵に引っ掛けて欧州中央銀行(ECB)のマリオ・ドラギ総裁がマント姿で2本の牙をむく合成写真を載せた(9月13日)。「ドラギ伯爵はわれわれの口座が空になるまで吸い続ける。彼の任期中にわれわれは何十億ユーロも失った」。

キャッシュレス化によって「ステルス値上げ」が進む理由
米国の小売店や飲食店での支払いにおけるキャッシュレス化は、クレジットカードかデビットカードが主流になっている。非接触型のアップルペイ、グーグルペイを使っている人も一部いるが、日本で増えてきたQRコード式の支払いを店舗のレジで見掛けたことは一度もない(欧州も同様)。

「貿易戦争は良いことだ。勝つのは簡単だ」「私はタリフ(関税)マンだ」。ドナルド・トランプ米大統領は中国などとの貿易戦争を本格化させ始めた際にそう語った。しかし、中国は彼が当初期待したような反応を全く見せてくれない。

「英王室御用達」企業も延命?超低金利への逆流でリスク蓄積
英ビクトリアは、120年以上の歴史を持つ王室御用達のカーペット製造会社である。ウィリアム王子とキャサリン妃の結婚式の際に敷かれたレッドカーペットも同社が手掛けたものだ。このビクトリアが昨年社債を市場で発行して資金調達を行おうとした。しかし市場の機関投資家たちは、同社のあまり芳しくない財務内容に比して発行希望金利が低過ぎると敬遠した。結局、同社は社債の発行計画を撤回せざるを得なくなった。

前月比796億%のインフレを経験したジンバブエで悲劇再来
アフリカ南部のジンバブエで再びひどいインフレが発生している。同国の中央銀行が発表した公式のインフレ率(前年比)は6月に176%へ上昇した。7月以降、状況はさらに悪化しているのだが、当局は前年比の公表を停止してしまった。

住宅ローン金利がマイナスへ 高まるECBの追加緩和観測
デンマークで第3位のJyske銀行は10年固定住宅ローン金利をマイナス0.5%へ引き下げたと先日発表した。同行はウェブサイトにおいて、なぜそれが可能となったのかを一般向けにデンマーク語で解説している。

「ハイジャック」されたFRB 冷静さ欠くトランプ流対中戦略
「ドナルド・トランプ大統領が来年の選挙までにすべき主な仕事の一つ、それは経済を台無しにしないことだ」。米国の政治雑誌「ポリティコ」電子版は7月25日にそう報じた。

「こんまりブーム」と所得格差で米ミレニアル世代の消費が変化
GAPやH&M、フォーエバー21などファストファッションの販売が米国で近年苦戦している。以前の若い世代は、はやりのデザインを取り入れたファストファッションの服を気軽に購入していた。1~2シーズン着て飽きが来たら新しいものを買うので、作りは少々粗雑でも構わなかった。

現代貨幣理論(MMT)派のステファニー・ケルトン・米ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校教授が7月3週目に来日した。それを受けて、日本のマスメディアは彼女の講演等を大きく取り上げた。

「弱い経済指標」を期待する奇妙な市場の空気に要注意
7月5日の朝に筆者は、米ワシントンのホテルでテレビの経済番組を見ていた。6月の非農業雇用者数の発表が生中継で行われようとしていた。市場予想を大幅に上回る数字が飛び出し、米経済はまだ失速には至っていないことが示されたが、テレビ画面内の様子はどよ~んとした空気が漂っていた。

値上げ2倍も目撃のNYと比較 日米B級グルメ現地価格調査
7月1週目に米ニューヨークに行った。2月28日公開の本連載で、日米B級グルメの20年前との価格比較を試みたが、今回も同様の調査を行ってみた。

映画「ルパン三世:カリオストロの城」では、世界で一番小さい国連加盟国という設定のカリオストロ公国がひそかに偽札製造を請け負っているという設定だった。映画のような偽札製造ではないが、多数の国から紙幣の印刷を受託している民間紙幣印刷会社が実在している。

7月の米利下げ観測が強まる、FRBの出方次第で苦しい日銀
米連邦準備制度理事会(FRB)が7月末の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを決める可能性が高まっている。それまでの間に米国の経済指標がさほど悪化せずとも、FRBは景気悪化を未然に防ぐための「保険」として利下げすることになりそうだ。

金融庁の金融審議会の「市場ワーキンググループ」が作成した報告書「高齢社会における資産形成・管理」が世論のすさまじい批判を受けたことで、与党や霞が関は激しくろうばいしている。
