
加藤 出
黒田東彦総裁が主導する量的質的金融緩和策(いわゆる異次元緩和策)が2013年4月に始まったとき、日銀はインフレ率を2年程度で目標の2%に押し上げると宣言した。ところが、2年以上たっても目標達成は見通せず、かつ国債買い入れの増額といった主力の追加緩和策は技術的な限界に直面した。

2018年末における現金流通高の名目国内総生産(GDP)に対する比率について、国際通貨基金(IMF)のデータを基に推計してみた。

「必要になれば緩和の手段はまだまだあると思う」。日本銀行の黒田東彦総裁は、2018年12月の金融政策決定会合後の会見でそう述べた。しかし、副作用を効果が上回る強力な追加緩和策は実際のところもう存在しない。

米ロサンゼルスでシェアリング電動キックボードが急増している。登場してまだ1年もたっていないが、今では街の至る所でそれに乗っている人々を見掛ける。利用開始時も利用終了時も特定の場所に行く必要はない。利用方法は中国のシェアリング自転車とほぼ同じだ。

米中貿易戦争、いわゆる「新NAFTA(北米自由貿易協定)」である米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)、英国の欧州連合(EU)離脱(Brexit)──。

スウェーデンの中央銀行リクスバンクは、個人向け中央銀行デジタル通貨「eクローナ」の発行をめぐって、ここ数年議論を重ねてきた。

日本銀行のホームページを開くと、一番上に小さなフォントで、次の一文が記載されているのが見える。「日本銀行は、物価の安定と金融システムの安定を目的とする、日本の中央銀行です」

「なぜトランプはマクシーン・ウォーターズを恐れるのか?」この米誌「フォーチュン」電子版(11月8日)の記事に限らず、米下院金融サービス委員会が米ドナルド・トランプ政権にとって厄介な存在になる可能性を報じる米メディアが増えている。

NHKの朝の報道番組「おはよう日本」で、日本の物価が上がりにくい背景を外食産業の価格設定の観点から解説させてもらった(10月30日放送)。収録場所はスタジオではなく、東京・池袋の低価格居酒屋だった。

10月にドイツのベルリンで開催された「第27回日独フォーラム」に参加した。両国の政治家、財界人、ジャーナリストらがベルリンと東京に毎年交互に集まり、政治、経済、文化などを議論して政策提言を行うカンファレンスである。

10月中旬に欧州へ出張した際に感じたが、英国の欧州連合(EU)離脱(Brexit)に対する視線において、日本と欧州大陸のEU加盟国の間には大きな違いがある。

安倍晋三首相は、来年10月に消費税率を10%へ引き上げる方針を固めた。これを“援護射撃”するかのように、黒田東彦・日本銀行総裁は「景気に大きな負のインパクトを与えるとは現時点で思っていない」と述べた。食料品等の消費税率を8%に据え置く軽減税率などによって、前回の税率引き上げ時(2014年4月)に比べ、国民の負担増は軽微で済むという。

『経済学者たちの日米開戦』(牧野邦昭著)は、現代の視点から見れば「非合理の極致」である対米開戦を日本の指導層が選んでしまった原因を、行動経済学などを用いながら考察している。現代にも通じるリスクがそこに見られるため、ポイントを紹介してみよう。

「ウォルマート、ギャップ、コカ・コーラ、ゼネラル・モーターズ、メイシーズは皆、関税が日常的な消費財の価格に影響を与えると予想している。それはいつ起きると思うか」

安倍晋三首相の発言が波紋を広げている。自由民主党の総裁選挙中、日本記者クラブで9月14日に行われた石破茂元幹事長との討論会において、日本銀行の異次元金融緩和策の出口に言及したのだ。この発言の真意はどこにあったのだろうか。

「ビッグ5」と呼ばれるイングランド(英国)、イタリア、スペイン、フランス、ドイツでは、選手獲得のためにチームが支払った移籍金の総額が42.1億ドルに達した。過去最高だった昨年をさらに6.6%上回り、移籍1件当たりの金額は前年比14.2%増となった。

台風21号が近畿圏等に甚大な被害をもたらした数日後、出張で大阪に行った。梅田や堂島では大きな街路樹が根元から倒れていた。難波では古い木造店舗がめちゃくちゃに壊れていた。通天閣近くの新世界には吹き飛ばされて骨格だけになった看板が多数あった。

ある大手機関投資家の役員から一冊の英語の本を薦められた。13世紀ごろから20世紀に至る英国の物価の歴史を解説した『The Great Wave』(D・H・フィッシャー著、1996年)である。

UberやLyftといったシェアライド(相乗り)サービスがマンハッタンの渋滞を悪化させている、という指摘を最近米ニューヨークでよく聞く。地下鉄からシフトする利用客が増え、それが街中の車の数を増加させているという主張だ。

「日本銀行は世界の他の中央銀行を上回る金融緩和策を行っている。これを勇敢というよりも無謀だと見なしている人は正しい」国際決済銀行(BIS)の元チーフエコノミスト、ビル・ホワイト氏は4年近く前の2014年11月、すでにそのように述べていた。
