
加藤 出
天候不順等々による世界的な食糧不足がインフレを招くとする警戒はあるものの、現在多くの先進国で物価上昇率は低迷している。コロナ禍により需要が不足しているからだ。

「3本の矢」による戦略を掲げたアベノミクスは2013年に始まった。当時の内閣府の資料は、同政策をスーパーマンへの変身過程になぞらえて解説していた。

新型コロナウイルスは欧州経済にも深刻な打撃をもたらしている。2019年10~12月期に対する20年4~6月期の実質国内総生産(GDP)は、主要諸国ですさまじい落ち幅だ。

標高2000メートル超の高地にある米ワイオミング州ジャクソンホールは、グランドティトン国立公園の山々が見渡せる避暑地として知られている。カンザスシティ連邦準備銀行は毎年夏の終わりにここで国際シンポジウムを開催してきた。

コロナ禍のため当面行けそうにないが、米ワシントンD.C.を訪れる機会がいつか来たら、国立アメリカ歴史博物館をのぞいてみることをお勧めする。

「半沢直樹」(TBS系テレビドラマ)の視聴率が好調だ。筆者も毎回引き込まれるように見ており、次週の放送を心待ちにしている。

人間は会食が好きな生き物である。新型コロナウイルス対策でレストランや居酒屋が多くの国で一時閉鎖された。そのときに人々が感じた悲しみは、単に好みの料理が食べられなくなるだけではなく、親しい人々と語らいながら飲食を楽しむ時間が失われてしまうという点にもあったと思われる。

新型コロナウイルスによる経済への打撃を和らげるため、世界の多くの国が財政資金を家計や企業の救済に使っている。他方で景気悪化によって税収は減っており、政府債務は世界的に急膨張中だ。だが危機の渦中なのに財政再建の議論を早くも始めている国もある。

新型コロナウイルス禍の下、現金決済からキャッシュレス決済への移行が世界的に進んでいる。紙幣や硬貨を通じてのウイルス感染を心配する人々がいるためだ。

IT企業が公表しているビッグデータを見ていくと、世界経済は4月中旬をボトムにしてその活動を徐々に取り戻してきたことが分かる。しかし非常に悩ましいのは、米国の南部や西部で見られるように、人の動きが活発化した地域で新型コロナウイルスの感染者が急増してしまった点だ。

スウェーデンは欧州連合(EU)の中で、新型コロナウイルス感染防止のロックダウン(都市封鎖)を唯一採用しなかった国だ。感染拡大を抑えながら経済を回しつつ、集団免疫を獲得することが狙いだった。

「5月の雇用統計は歓迎すべきサプライズだった。とても喜ばしい」「だが、回復への道のりは長いことに、われわれは正直にならねばならないと、私は思っている」。6月10日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長はそう述べた。

5月の米雇用統計は予想外の好転を示した。他の労働市場関連の統計との整合性を考えると不可解な部分は残っているが、財政資金の大規模な投入と経済再開の影響が雇用に表れ始めているようだ。

現在の多くの国々の紙幣は、実際は何の裏付けもないただの紙切れだ。その信認は「共同幻想」により保たれている。「幻想」の維持可能性は、最終的には政府の徴税力に懸かってくるだろう。

「あなたはワシントン・キャピタルズの熱烈なファンでしたね。ゲームの応援に気持ちよく行けるようになるのはいつだと思いますか?」5月17日に米CBSニュースが放送した番組で、米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長はそう尋ねられた。

「無制限国債購入へ」。4月27日に行われた日本銀行の金融政策決定会合の後、多くのマスメディアはそう報じた。「コロナ禍による経済混乱の下、日銀はついに禁断の領域に踏み込んだか」と感じた人は多かったのではないかと推測される。

新型コロナウイルス禍により経済の悪化が急速に進んでいる。米国の4月の失業率は14.7%へ急上昇した。

「最後の貸し手」。経済危機時に民間が萎縮してお金の流れが凍結したとき、中央銀行が平時とは異なるスタンスで資金の貸し出しや債券購入を行う役割のことだ。

国際通貨基金(IMF)が最近発表した「世界経済見通し」によると、先進国経済は今年半ばまではリーマンショックを上回る勢いで急失速するが、年後半から上向き始め、2021年末になれば19年末の経済水準の99%を回復するという。

「感染抑制を最優先すべきか? 経済を回すことにもっと注力すべきか?」。これは新型コロナウイルス対策を議論する際に為政者が常に直面する問題である。
