2014.1.7
新年度予算を考える――「中負担・中福祉」か「高負担・高福祉」か、日本の選択は待ったなし
政府の2014年度予算案が決定した。総額約96兆円と過去最大規模になる。政治は税金の分配に他ならないのであるから、予算を分析して正しく理解することは、民主主義の基本中の基本と言っていいだろう。
立命館アジア太平洋大学(APU)学長、ライフネット生命創業者
でぐち・はるあき/1948年、三重県生まれ。京都大学法学部を卒業後、1972年、日本生命保険相互会社入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て同社を退職。2006年にネットライフ企画株式会社を設立し、代表取締役社長に就任。ライフネット生命を2008年4月に開業し、2012年に東証マザーズ上場。2018年1月より現職。著書に、『「教える」ということ 日本を救う、[尖った人]を増やすには』(角川新書、KADOKAWA)、『哲学と宗教全史』(ダイヤモンド社)、『人生の教養が身につく名言集』(三笠書房)がある。
2014.1.7
政府の2014年度予算案が決定した。総額約96兆円と過去最大規模になる。政治は税金の分配に他ならないのであるから、予算を分析して正しく理解することは、民主主義の基本中の基本と言っていいだろう。
2013.12.17
月日の経つのは本当に早いもので、2013年は余すところあと2週間となった。今年は、景気回復や五輪決定などわが国にとっては、相対的に良い年であったように思われる。さて、来たるべき2014年はどのような年になるのだろうか。
2013.12.3
政府は、29日の閣議で、企業統治の強化策を盛り込んだ会社法改正案を決定した。焦点だった社外取締役の設置義務付けは見送ったが、2年後に再検討すると明記した。義務化には経済界が反対していたとされるが、何が反対の理由だったのだろうか。
2013.11.19
前回のコラムに対して友人や知人から「部分ではなく全体としてのわが国の税体系をどう考えたらいいのか」という指摘を受けた。そこで、全くの素人考えに過ぎないが、とりあえず基幹3税と呼ばれている所得税、消費税、法人税について1つの理想型を考…
2013.11.12
2015年10月に消費税率を10%に引き上げる時、食料品など生活必需品に軽減税率を適用するか否か、政権与党は本格的な検討を始めた。軽減税率は、一般に「課題の山」であると言われているが、どのような問題があるのだろうか。
2013.10.29
10月18日、日本経済研究センターは、「農業保護はどの程度家計負担を増やしているか」と題するディスカッションペーパーを公表した。それによると、わが国の農業保護政策は、市民に消費税率3.4%をプラスオンしているのと同じ効果を持つという。
2013.10.23
政府は10月7日、高額療養費の見直し案を提示して、2015年1月実施を目指す意向を示した。高額療養費制度はわが国の医療保険制度の根幹を成すとも言われ、2010年度で約2兆円が支払われている。政府はどのような改正を目指そうとしているのだろうか。
2013.10.9
SNS等による言論手段の多様化・簡便化と、言論空間の豊かさや有効性とは必ずしもリンクしている訳ではない。言論空間を有効に機能させるためには、やはりそれなりの「言論の作法」が必要ではないか。
2013.10.1
国連の「気候変動に関する政府間パネル」は、地球温暖化は人間の活動が主因である、とする作業部会の報告書を承認、公表した。この報告書は、今後の国際的な対策をまとめていく上での科学的な拠り所となるものと見られている。
2013.9.19
消費税増税は経済書指標を見て普通に考えれば、法律通り来年4月に引き上げを行うことが一番自然なように思われる。しかし、市井の声は有識者とは少し異なるようだ。それはなぜだろうか。
2013.9.10
2020年の第32回夏季オリンピック・パラリンピックの開催地として、東京が選ばれた。2020年の開催まであと7年、この間に何をなすべきか、せっかくの好機を活かすべく、みんなで知恵を絞ってみようではないか。
2013.9.3
経済社会総合研究所(内閣府)は「夫婦の出生力の低下要因に関する分析」と題するディスカッションペーパーを公表した。出生率の低下については、カップルの出生児数の減少も大きな要因の1つである。後者に焦点を当てた当ディスカッションペーパー…
2013.8.29
8月24日(土)の日経夕刊のトップ記事はわが国の漁業の現状に強い警鐘を鳴らす内容だった。近年トラフグの取引量やクロマグロ水揚げ高は過去最低に近い水準で推移しており、いずれも原因は産卵前の未成魚の乱獲によるものだという。
2013.8.13
8月6日、社会保障制度改革国民会議は、「確かな社会保障を将来世代に伝えるための道筋」という副題を付した報告書をまとめて公表した。読者の皆さんも、ぜひ自分の目で一読してほしい。報告書は、一体何を提言しているのだろうか。
2013.7.23
政権与党が完勝して、参院選が終わった。2007年からの「衆参ねじれ国会」は、ここに終止符を打つことになる。安倍政権は信認を受けた形となり、少なくとも向こう3年間は安定政権が続くことになる。これは、2001年の小泉政権以来のことである。
2013.7.9
前回のコラムで、「日本人の労働時間が長い原因は残業を評価する誤った精神論にある」と書いたところ、多くの読者からたくさんのご意見を頂戴した。そこで、再度、この問題について考えてみたい。
2013.7.2
OECDの調査によれば主要国の中で日本人の総労働時間は長く、生産性は著しく低い。これは長時間労働→疲労の蓄積→生産性の低下、という世間一般の常識にも適うものだ。この長時間労働の原因は何か。
2013.6.18
わが国では、政府に成長戦略の策定を迫る経済人が後を絶たない。摩訶不思議な現象ではないか。わが国には、そもそも成長戦略に対する大きな誤解があるように思えてならない。
2013.6.11
安倍首相は6月5日、成長戦略スピーチを行い、「成長戦略の三本柱がそろい、その目指すところについて、今回の成長戦略では、『KPI』すなわち『達成すべき指標』を、年限も定めて、明確にした」と主張した。今回は両者の整合性を検証する。
2013.6.4
慶應義塾大学の権丈善一教授から教えていただいた4枚のパワーポイントがある。IMF主催の講演資料から抜粋したものだが、わずか4枚で年金問題の本質をあまりにも見事に喝破されていることに強い衝撃を受けた。
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