出口治明
第108回
国民年金と厚生年金を合わせた約120兆円の積立金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)に対し、よりリスクを取った運用を求める声が政府の有識者会議などにある。この問題はどのように考えたらいいのだろうか。

第107回
昨今問題視されている貿易赤字について「原子力発電所が停まっているのだから、鉱物性燃料の輸入が増えて赤字になるのは仕方がない」といった一種の楽観論(?)が幅を利かしているように見受けられが、本当だろうか。

第106回
猪瀬前都知事の辞任に伴う東京都知事選挙が1月23日に告示され、2月9日に投票される運びとなった。候補者もほぼ出揃った感がある。今回の東京都知事選挙に当たって、私たち有権者は何を考えるべきなのだろうか。

第105回
政府の2014年度予算案が決定した。総額約96兆円と過去最大規模になる。政治は税金の分配に他ならないのであるから、予算を分析して正しく理解することは、民主主義の基本中の基本と言っていいだろう。

第104回
月日の経つのは本当に早いもので、2013年は余すところあと2週間となった。今年は、景気回復や五輪決定などわが国にとっては、相対的に良い年であったように思われる。さて、来たるべき2014年はどのような年になるのだろうか。

第103回
政府は、29日の閣議で、企業統治の強化策を盛り込んだ会社法改正案を決定した。焦点だった社外取締役の設置義務付けは見送ったが、2年後に再検討すると明記した。義務化には経済界が反対していたとされるが、何が反対の理由だったのだろうか。

第102回
前回のコラムに対して友人や知人から「部分ではなく全体としてのわが国の税体系をどう考えたらいいのか」という指摘を受けた。そこで、全くの素人考えに過ぎないが、とりあえず基幹3税と呼ばれている所得税、消費税、法人税について1つの理想型を考えてみたい。

第101回
2015年10月に消費税率を10%に引き上げる時、食料品など生活必需品に軽減税率を適用するか否か、政権与党は本格的な検討を始めた。軽減税率は、一般に「課題の山」であると言われているが、どのような問題があるのだろうか。

第100回
10月18日、日本経済研究センターは、「農業保護はどの程度家計負担を増やしているか」と題するディスカッションペーパーを公表した。それによると、わが国の農業保護政策は、市民に消費税率3.4%をプラスオンしているのと同じ効果を持つという。

第99回
政府は10月7日、高額療養費の見直し案を提示して、2015年1月実施を目指す意向を示した。高額療養費制度はわが国の医療保険制度の根幹を成すとも言われ、2010年度で約2兆円が支払われている。政府はどのような改正を目指そうとしているのだろうか。

第98回
SNS等による言論手段の多様化・簡便化と、言論空間の豊かさや有効性とは必ずしもリンクしている訳ではない。言論空間を有効に機能させるためには、やはりそれなりの「言論の作法」が必要ではないか。

第97回
国連の「気候変動に関する政府間パネル」は、地球温暖化は人間の活動が主因である、とする作業部会の報告書を承認、公表した。この報告書は、今後の国際的な対策をまとめていく上での科学的な拠り所となるものと見られている。

第96回
消費税増税は経済書指標を見て普通に考えれば、法律通り来年4月に引き上げを行うことが一番自然なように思われる。しかし、市井の声は有識者とは少し異なるようだ。それはなぜだろうか。

第95回
2020年の第32回夏季オリンピック・パラリンピックの開催地として、東京が選ばれた。2020年の開催まであと7年、この間に何をなすべきか、せっかくの好機を活かすべく、みんなで知恵を絞ってみようではないか。

第94回
経済社会総合研究所(内閣府)は「夫婦の出生力の低下要因に関する分析」と題するディスカッションペーパーを公表した。出生率の低下については、カップルの出生児数の減少も大きな要因の1つである。後者に焦点を当てた当ディスカッションペーパーの分析を見てみよう。

第93回
8月24日(土)の日経夕刊のトップ記事はわが国の漁業の現状に強い警鐘を鳴らす内容だった。近年トラフグの取引量やクロマグロ水揚げ高は過去最低に近い水準で推移しており、いずれも原因は産卵前の未成魚の乱獲によるものだという。

第92回
8月6日、社会保障制度改革国民会議は、「確かな社会保障を将来世代に伝えるための道筋」という副題を付した報告書をまとめて公表した。読者の皆さんも、ぜひ自分の目で一読してほしい。報告書は、一体何を提言しているのだろうか。

第91回
政権与党が完勝して、参院選が終わった。2007年からの「衆参ねじれ国会」は、ここに終止符を打つことになる。安倍政権は信認を受けた形となり、少なくとも向こう3年間は安定政権が続くことになる。これは、2001年の小泉政権以来のことである。

第90回
前回のコラムで、「日本人の労働時間が長い原因は残業を評価する誤った精神論にある」と書いたところ、多くの読者からたくさんのご意見を頂戴した。そこで、再度、この問題について考えてみたい。

第89回
OECDの調査によれば主要国の中で日本人の総労働時間は長く、生産性は著しく低い。これは長時間労働→疲労の蓄積→生産性の低下、という世間一般の常識にも適うものだ。この長時間労働の原因は何か。
