出口治明
第70回
1885年の初閣議から、実は一度も議事録作られていなかったが、政府は議事録の作成と公開に向けて動き出した。これは小さな一歩だが、中長期的に考えると、わが国の政治を大きく変革する予感がしてならない。

第69回
総選挙は、次の首相を選ぶことが根本と考える。その意味では、日本維新の会が太陽の党を事実上吸収したことは(野合であるという批判があるにせよ)、基本的にはいいことではないか。何故なら、この合流によって、石原代表という次の首相候補の1人が明確になったからだ。

第68回
田中文科相の新設大学認可を巡る一連の騒動は、ひとまず常識的な線に落ち着いたように思われる。しかし、少子高齢化にもかかわらず、年々大学の新設が認可され大学数が増え続けていくことに、一抹の疑問を抱く向きは少なくない。今回は、大学改革について考えてみたい。

第67回
昨今のわが国を取り巻く環境をあれこれと数え上げると、多くの人は、日本の将来について、ともすれば悲観的になってしまいがちだと言われている。これに対して、筆者は、日本の将来について、原則として、先行きは明るいと考えている。今回は、その根拠を述べてみよう。

第66回
10月25日、石原東京都知事は、新党を立ち上げて次回衆院選に臨む姿勢を明らかにし、「日本維新の会」や「みんなの党」との大連合、第3極の集結を呼び掛けた。わが国の政党政治は、一体、どこへ向かおうとしているのだろうか。

第65回
10月19日の朝日新聞に、オーストラリアのACP(アドバンス・ケア・プランニング)が紹介されていた。少子高齢化が急速に進んでいるわが国にとっても、終末医療の問題は決して他人事ではない。ACPとは、どのような制度・仕組みなのだろうか。

第64回
10月11日の読売新聞(朝刊)に、面白い記事が載っていた。「東京・西新宿の書店で、異例のブックフェアが開かれている。一般になじみの薄い2012年版厚生労働白書をテーマとしたフェアで、この2週間で白書は昨年1年分を上回る部数が売れたそうだ」

第63回
文化庁は、市民の国語に関する興味・関心を高める目的で、1995年度から毎年、「国語に関する世論調査」を行っている。今年は、9月20日に、2011年度の調査結果が発表されたので、その内容を概観してみたい。

第62回
もうかれこれ半世紀近く前の話になるが、大学の原書購読の時間に、高坂正堯先生に、地政学を教えていただいた記憶がある。領土問題を巡る昨今の報道を眺めているうちに、先生の教えを思い出した。

第61回
政府(厚生労働省)は、8月28日、「社会保障に関する国民意識調査」(少子高齢化社会等アンケート)の結果を公表した。これは、厚生労働白書の作成等に当たっての資料を得ることを目的として実施されたものであるが、その内容にはなかなか興味深いものがある。

第60回
世間の常識に従えば、3党合意の当事者である自公は問責決議に反対するか、少なくとも棄権に回らなければ、一貫した政策に責任を持つ公党とは言えないはずだ。公明党は筋を通した。ところが、自民党は党利党略を優先して、あろうことか、賛成に転じてしまったのである。

第59回
仮に政界が再編されるとした場合、有権者にとってどのような再編が望ましいのか、実現の可能性はさておき、理想的な(≒わが国の現状に照らして最も望ましいと思われる)再編の基軸について考えてみた。

第58回
ロンドンオリンピックが閉幕した。総メダル数トップ10の各国は、人口やGDPに大きな違いがある。各国が人口何人に対して、1個のメダルを獲得したか、人口をメダル数で割ってみるとどうなるか。

第57回
経済のグローバル化に伴い、グローバル人材の重要性や、その育成がよく話題になる。グローバル人材の定義とは、一体何か。それが明確にならないと、その育成方法も焦点が定まらなくなってしまうように思われる。今回は、グローバル人材について、考察してみたい。

第56回
政府は7月11日、「日本再生戦略(案)」を取りまとめた。2020年までのわが国の進むべき道を明らかにした重要な戦略だ。しかしメディアの取り扱いは冷淡で、一向に議論が盛り上がる気配が感じられない。なぜ不人気なのだろうか。

第55回
野田首相、谷垣総裁、橋下市長など、わが国の政治リーダーの立ち居振る舞いを巡って、リーダー論が姦しい。そこで、今回はリーダーシップについて考えてみたい。

第54回
今年のわが国の株主総会集中日は、6月28日(木)だった。総会日の分散は進んでいるらしいが、大手メディアが総会集中日を、「まるで当然のこと」のように取り扱う風潮には、強い違和感を禁じ得ない。

第53回
前回のコラムで、シングルペアレントの困窮対策が焦眉の急である旨を述べた。実は、わが国はもう1つ、喫緊の課題を抱えている。それは、年間で3万人を下らない自殺対策の問題である。今回は、この問題を取り上げてみたい。

第52回
私たちの未来であるわが国の子ども・若者は、現在、どのような状況に置かれているのだろうか。今回は、内閣府が6月6日に公表した、2011年度「子ども・若者白書」を紐解いてみたい。

第51回
わが国では1人で暮らす「孤住」が最大のグループとなってしまったが、この不自然な生活様式は、人間を少しずつむしばんでいくのではないだろうか。では、どうすればいいのか。1つの解は、コレクティブハウスであると考える。
