カーゴニュース
国土交通省は燃料費高騰に苦しむトラック事業者を支援するため、燃料価格の上昇分を反映した運賃への見直しを行うよう荷主に直接働きかけを行う。中小零細企業が9割超を占めるトラック事業者は他業界と比べ、価格転嫁が進んでいない。このため、国交省では、地方運輸支局による荷主への協力要請を継続して実施するほか、本省の担当者が荷主を直接訪問し、運賃引き上げなどへの協力要請を行う。国交省担当者が荷主に直接働きかける“異例”の取り組みとなる。

佐川急便が中核会社のSGホールディングスが、2030年に向けた新たな長期ビジョンと、その最初の3年間となる新中期経営計画(22~24年度)を策定した。新長期ビジョンでは、30年度に売上高2兆2000億円を達成することを目標に、とくに3PLや国際・海外物流など「宅配便以外」の事業を大きく成長させる。

JR貨物の真貝康一社長インタビューの後編。2月に初めて実施したグリーンボンドの発行は、JR貨物の将来性について機関投資家がどのように見ているかを占うという点で、重要な“試金石”になったと語る。

貨物鉄道の存在感が増している。カーボンニュートラルに向けた物流の取り組みが加速する中で、JR貨物の際立って高い環境特性が同社の企業価値を向上させている。真貝康一社長に現況や2022年度の事業計画、長期ビジョン実現に向けた進捗などを聞いた。

混迷を極めるウクライナ-ロシア情勢。物流事業者に向けて、財務省関税局業務課長の小多章裕氏が寄稿(3月17日付)した全文を掲載する。

ウクライナ侵攻の影響で物流コストの上昇圧力がさらに強まっている。政府は価格転嫁を強力に促す施策パッケージにより、燃料費高騰分を考慮しない荷主と物流業者の取引を規制する姿勢を強めており、政策的に物流コストが押し上げられる可能性も出てきた。

在籍型出向で雇用維持に取り組む事業主を支援する「産業雇用安定助成金」の創設から1年が経過した。厚生労働省の発表によると、助成金の対象者は1万人を超え、新型コロナウイルス感染症による経済活動への影響を反映して、「出向元」はいわゆる“人流”を支える観光や交通系が多く、「出向先」は“物流”を支える産業や非対面系の業務が目立つ。

ウクライナ情勢が混迷の度合いを深める中、物流への影響が拡大している。航空輸送ではロシア上空の飛行が制限されていることで、スケジュールの見直しやリードタイムの延長など業務が複雑化。海上輸送についても、燃料価格の高騰からさらなる運賃上昇が避けられないとの観測が支配的だ。国際サプライチェーンの混乱を物流専門紙が解説する。

経済産業省は、省エネ法でエネルギー使用量の報告を義務付けている「特定荷主」について、取り組み状況によって“格付け”する制度を導入する。エネルギー使用量をより精緻に算定できる方法に見直したうえで、ベンチマークを設定し、目標を達成した「優良荷主」を可視化する「荷主クラス分け評価制度」を2023年度以降に導入。省エネの成果を上げている荷主を適切に評価し、インセンティブを与えて取り組みを促す狙いがある。

「倉庫シェアリング」の動きが本格化してきた。コロナ禍での巣籠もり需要を背景にEコマースが拡大しており、倉庫スペースの新規需要が旺盛。一方で、物流不動産のスペースを借りたものの、「思うように荷物が集まらず」スペースを持て余している企業の集荷ニーズもある。倉庫とユーザーをマッチングし、スペースのムダをなくすプラットフォームサービスの存在感が増しそうだ。

2022年は物流に関連するいくつかの法制度の改正が予定されている。物流の効率化や人手不足緩和に向け一定の条件のもとで規制緩和が行われる一方、取引の適正化、2050年カーボンニュートラルを見据えた環境対策への要求は強まる。22~23年にかけてのおもな法制度の改正の概要とともに、予想される物流の変化、影響を探った。

東京証券取引所が4月4日に実施する新市場区分への移行で、上場物流企業82社のうち39社が最上位の「プライム市場」に移ることが分かった。また、現在、1部に上場している52社のうちプライムを選ばなかった企業が13社あり、全体の4分の1にのぼることが明らかになった。

新春にあたり、急激な変化の中にある物流業界の今後について、カーゴニュースの5人の記者が語り合った。超ロングで熱気あふれる議論の中から、ダイヤモンド編集部が厳選して抜粋し、4回にわたって連載する。最終回は「トラックの脱炭素シフト」からスタート。そして物流業界で2022年、M&Aがどこまで進むのかについて意見を交わす。中小規模の売買のほか、日本通運の海外M&Aを含む大型案件にも要注目だという。最後は、荷主が頭を悩ませる物流コストインフレについて提言する。

新春にあたり、急激な変化の中にある物流業界の今後について、カーゴニュースの5人の記者が語り合った。超ロングで熱気あふれる議論の中から、ダイヤモンド編集部が厳選して抜粋し、4回にわたって連載する。3回目の前半は、物流子会社の「末路」について、事情に精通する記者達が厳しく指摘する。後半はDX人材の育成や、サプライチェーンの混乱について。安全保障や環境、人権が物流上の制約となり、2022年はサプライチェーンの「ローカル化」が進むという。

カーゴニュース記者座談会。2回目の今回は、EC物流の展望について。ラストワンマイル市場はコロナ禍の2020年度に前年比で約3割拡大し、23年度には3兆円規模になると言われている。従来の宅配に加えて、料理宅配が日用品や医薬品を運んだりするケースもあり、料理宅配分野にはソフトバンクやKDDIが出資し、アイシンも参入している。担い手もギグワーカーであったり、社員であったり、配送手段も軽貨物車から「徒歩」まであり、規制やサービスの棲み分け、プライシングのあり方が難しくなっている。

新春にあたり、急激な変化の中にある物流業界の今後について、カーゴニュースの5人の記者が語り合った。超ロングで熱気あふれる議論の中から、ダイヤモンド編集部が厳選して抜粋し、4回にわたって連載する。1回目は、トラックドライバーの時間外労働時間が年間960時間に制限される「2024年問題」からスタート。これは物流業界の働き方改革であると同時に、中小零細企業の淘汰再編を促す「ふるい落とし」にもなると指摘する。その後、「モーダルシフトを担うJR貨物はどうあるべきか」について提言。最後に「物流業界が人材を獲得するための根本的な施策」を語る。

トラックドライバー不足と2024年問題への対応、そして温室効果ガス削減に向け、内航海運にはトラック輸送からのモーダルシフトの受け皿となる役割が期待されている。こうした社会的要請を背景に、昨今では、フェリー・RORO船の新航路開設や新造船が相次いでいる。

日本エア・リキードは、バイオ医薬品および医療分野に特化した極低温輸送サービスに本格参入した。容器内部の吸着剤に液体窒素を吸着させ、マイナス150度の温度帯で輸送することができる容器「ドライシッパー」を活用し、バイオ医薬品、ライフサイエンス、臨床試験などの各分野に最適な極低温輸送サービスを総合的に提供していく。メーカーが自社以外の荷物を扱う物流事業に進出する例は珍しい。

トラック輸送で、高値が続く軽油と同様に必要不可欠な「尿素水」の価格上昇と供給難が顕在化してきた。尿素水はディーゼル車の排ガスを浄化する技術(尿素SCRシステム)に採用され、国内メーカーのトラックに搭載されている。原料価格の高騰により商品供給が滞り、とくに小口は品薄となっているという。尿素水がなければトラックは運行できず、物流に影響が出てくる恐れがある。

物流不動産の開発の勢いが止まらない。コロナ禍でのEC需要の高まりや、サプライチェーンの混乱も新たなスペース需要を喚起し、供給を後押しする。プレイヤーの参入が相次ぎ、用地の取得競争も激化。賃料の上昇基調も続く。活気づく物流不動産市場の7つのトレンドを読み解く。
