カーゴニュース
大都市圏を中心に冷蔵倉庫がひっ迫している。北米からのコンテナ輸送が正常に戻りつつあることに加え、ロックダウン解除後の中国からの輸入が増加。円安やウクライナ情勢など不透明感が強まる中で、畜肉中心とした輸入者の「買い置き」や在庫の積み増しもみられる。一方で、物価高やコロナ禍の継続で需要は伸びず、出庫は鈍化。あらゆる要素が重なって冷蔵倉庫の在庫水準を押し上げている。まもなく主力商材のチリ産銀ざけ(チリ銀)の搬入が本格化し、年末に向けてひっ迫感はますます強まる見通しだ。

北海道と本州を結ぶ貨物列車は、道民の生活と経済を支えるとともに、食糧基地である北海道から全国への安定供給を担い、特に道外への農産品輸送においては鉄道利用が4割を占めるに至っている。この重要な物流機能が、2030年度に計画される北海道新幹線の札幌延伸を受け、存続の危機にさらされている。「青函ルート問題」と総称される同問題は、これまでも鉄道輸送関係者らの間で取り沙汰されてきたが、2030年度が迫るなか、現実的なリスクとしての認識が北海道経済界や物流業界全体へ広がりつつある。青函ルート問題とは何か、解決策はあるのか――。

北海道と本州を結ぶ貨物列車は、道民の生活と経済を支えるとともに、食糧基地である北海道から全国への安定供給を担い、特に道外への農産品輸送においては鉄道利用が4割を占めるに至っている。この重要な物流機能が、2030年度に計画される北海道新幹線の札幌延伸を受け、存続の危機にさらされている。「青函ルート問題」と総称される同問題は、これまでも鉄道輸送関係者らの間で取り沙汰されてきたが、2030年度が迫るなか、現実的なリスクとしての認識が北海道経済界や物流業界全体へ広がりつつある。青函ルート問題とは何か、解決策はあるのか――。

トラック運送業界は、軽油価格の高騰と価格転嫁の遅れによる経営環境の悪化、ドライバー不足と高齢化、環境対応などの課題が山積している。改正貨物自動車運送事業法の施行から3年半超が経過し、物流の「2024年問題」を産業界が注視する中、指標となる数字を読み解くことで、業界の立ち位置と課題の本質がみえてくる。

宅配便大手3社(ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便)の取扱個数の伸びが鈍化している。コロナ初年度にあたる2020年度は巣篭もり消費の急激な拡大により3社合計で年間5億個も増加したが、翌21年度の増加は1億個にとどまった。22年度に入り、伸び率がさらに鈍化している。背景には大手EC事業者の自社物流化が進み、宅配大手以外に委託する〝隠れ宅配〟がさらに進んだことに加え、物価上昇を受け消費自体が弱含みで推移しているとの見方も出ている。

楽天グループは日本郵便との協業により、当日配送サービスを開始することを明らかにした。7月21日に三木谷氏が公表した。オペレーションの効率化とサービス改善を推進する方針を示した上で、「Amazonと違うのは、ちゃんとした配送業者が届けているということ。商品も丁寧に扱い、丁寧に届けている」ことをPRした。

コロナ禍でのEC関連需要の高まりを背景に、活況が続いていた物流不動産市場に“暗雲”が広がっている。近年の大量供給により需給バランスが緩和し、空室率は上昇傾向。東証REIT指数も物流セクターは下落が見られる。エネルギーコストの上昇を受けた鋼材価格の値上がりも開発コストの重しとなる。物価高や景気の減速も物流不動産需要には向かい風となる。

サプライチェーンの混乱やウクライナ情勢など地政学リスクの高まり、金融引き締めの動きも加わり、国際貿易を取り巻く環境は不透明さが増している。国際秩序の変化とブロック化が進む中、EPA(経済連携協定)・FTA(自由貿易協定)は政治・経済の連携強化の枠組みとして期待されている。物流費が上昇し、企業はこれらの協定を活用した関税コスト削減に関心を強めており、官民のサポートも拡大している。

「2022年度の経済と貨物輸送の見通し(改訂)」をNX総合研究所が発表した。国内貨物輸送量については、消費関連貨物では4.9%のプラスが予想されるものの、生産関連は0.5%減、建設関連は3.2%減と落ち込み、全体では0.6%減と再びマイナスとなると見込んだ。

オンライン全盛の時代に、日本のボールペンの輸出が絶好調だ。2021年の全国のボールペンの輸出数量は11億300万本(前年比26.8%増)、金額は557億円(33.2%増)となり、金額ベースでは過去第2位となった。横浜港は4億2500万本(16.0%増)、200億円(18.3%増)で、数量・金額とも15年から7年連続で全国第1位の港となっている。

トラック運賃の上昇機運が長期契約、スポット契約ともに失速している。昨年秋から年末にかけては上昇傾向にあったが、軽油高騰の価格転嫁が進んでいない。エネルギーや原材料コストの上昇で、“脱デフレ”の兆しが見え始めている中で、トラック運送業界は依然としてデフレを引きずったままだ。景気の腰折れも懸念される中、トラック運送業界を取り巻く環境はいよいよ厳しさを増している。

ドライバーの長時間労働の原因をつくった荷主に対し、労働基準監督署が直接働きかけを行う新制度案を提示した。従来は荷主に対する改善要請ができなかったが、制度を見直す。ドライバーの時間外労働上限規制が強化される「2024年問題」が迫る中、行政による荷主対策がいよいよ本格化してきた。

トラック運送業でM&Aが増加している。2024年4月からドライバーに時間外労働上限規制が適用される「2024年問題」を控え、人手不足がさらに深刻化する見込みから、同業者間でのM&Aが活発化したものと推定される。

ヤマト運輸の長尾裕社長ら首脳陣が6月3日、専門紙誌に経営構造改革の進捗状況などを説明した。主要事業会社9社の統合など、この2年間の動きを振り返った。アマゾンジャパン副社長を経て、今年5月にヤマト入りした鹿妻明弘専務執行役員(輸配送オペレーション統括)が、EC化に伴う法人顧客の増加など宅急便を取り巻く近年の外部環境の変化を挙げ、変化に対応したネットワークの再構築に取り組んでいくとの考えを示した。

公正取引委員会は5月25日、2021年10月に開始した荷主と物流事業者との取引に関する調査の結果を公表した。問題につながるおそれのある事例としては、10時間超に及ぶトラックの長時間待機や、値上げを申し出た際に、取引先の変更をちらつかせる行為、通関手続きの際に関税・消費税を荷主が通関業者に立替払いさせることも挙げられた。

上場物流大手の2022年3月期業績が出揃った。全26社中25社が増収となる好調だった。増収要因としてもっとも大きかったのは、ある混乱によるものだ。一方、今期(23年3月期)の業績予想については、「特需」がどこまで継続するかで見方がわかれ、反動減を含めやや保守的な見通しが目立っている。

ヤマトホールディングスの2022年3月期連結業績は、EC荷物を中心とした取扱数量の増加が寄与して増収となった一方、営業費用は前期比1126億円増の1兆7164億円と大幅に増加。燃料単価が上昇傾向にあることに加え、EC物流ネットワークと既存ネットワークにおけるオペレーションの適正化を進め、費用が増加したことから減益となった。30年までに温室効果ガス(GHG)排出量を20年度比で48%削減する目標も策定。EV車を2万台導入することなどを施策の柱にする。

2021年度の宅配便大手3社(ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便)の合計取扱個数は、前年度比約1億個増の46億3200万個となった。3社のうちヤマト、佐川の2社は取扱個数を伸ばした一方、日本郵便は大幅な減少となった。“巣篭り消費”で取り扱いを大幅に増やした20年度から一転して、21年度は伸び率が鈍化。関係者からは「EC市場の拡大は続いており、増加分はEC大手の自社配送など“隠れ宅配”に流れているのではないか」との指摘が出ている。

物流子会社/荷主系物流会社の再編が引き続き活発だ。新設や荷主本体への吸収、合併・統合、売却など依然としてさまざまな動きがあるが、カギとなるのはサプライチェーンの統合管理を見据えた再編が増えていることだ。

配送マッチングサービス「PickGo」などのラストワンマイル事業で急成長を続けるCBcloud(本社・東京都千代田区)。2022年1月には国内最大規模の求荷求車サービス構築を目指し、トランコムとの資本業務提携を発表。3月には同社初の物流倉庫を開設し、配送領域の拡大を進めている。松本隆一代表取締役CEOに、同社が目指すビジョンや将来の方向性について話を聞いた。
