唐池 恒二

九州旅客鉄道株式会社 代表取締役会長

「三島JR」と称され、300億円の赤字というどん底のスタートを切った同社にあって、全社員と共に逆境と屈辱から這い上がり、500億円の黒字(2017年度)に導いた立役者。同社は現在、売上の6割を鉄道以外の収入にして8年連続増収中。
高速船、外食、不動産、建設、農業、ホテル、流通など37のグループ会社を伴い、連結の売上額は4133億円、経常利益670億円(2017年度)を計上。
1953年4月2日生まれ。1977年、京都大学法学部(柔道部)を卒業後、日本国有鉄道(国鉄)入社。1987年、国鉄分割民営化に伴い、新たにスタートした九州旅客鉄道(JR九州)において、人気温泉地・由布院の魅力を凝縮した「ゆふいんの森」や、浦島太郎の竜宮伝説をテーマにした「指宿のたまて箱」など、11種類のD&S(デザイン&ストーリー)列車をつくり、次々大ヒット。列車を「移動手段」から「観光資源」へと昇華させた。
1991年に博多~韓国・釜山間にデビューした高速船「ビートル」就航に尽力。さらに、大幅な赤字を計上していた外食事業を黒字に転換させ、別会社化したJR九州フードサービスの社長に就任。2002年には、同社でみずからプロデュースした料理店「うまや」の東京(赤坂)進出をはたし、大きな話題に。
2009年6月、同社代表取締役社長。2011年には、九州新幹線全線開業、国内最大級の駅ビル型複合施設「JR博多シティ」をオープン。
2011年に制作指揮した「祝! 九州」のテレビCMは「カンヌ国際広告祭」アウトドア部門金賞受賞。2013年10月に運行を開始し、総工費30億円をかけ世界一の豪華列車とも称される「ななつ星 in 九州」では、企画立案からデザイン、マーケティングまで陣頭指揮を執り、大人気となる。2014年6月、同社代表取締役会長。2016年には、長年の悲願であった東証一部上場を実現。2018年7月には、中国・アリババグループとの戦略的提携を発表。今後の動向にさらなる注目が集まっている。

「クルーズトレインじゃなくて、クレイジートレイン」と揶揄された「ななつ星」はどうスタートを切ったのか?

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