池田 純
第4回
プロ経営者とは、プロの変革者である──。横浜DeNAベイスターズ初代社長で、現在スポーツによる地域活性化などに取り組む一般社団法人さいたまスポーツコミッションの会長、バスケットボール男子Bリーグ3部(B3)・埼玉ブロンコスのオーナーを務める、池田純氏はそう言う。変革の時代におけるプロ経営者の在り方を考察する連載の第4回。「基礎編」の最終回となる今回は、池田氏が変革の戦略、プロ経営者の引き際、そして変革者の生きざまについて語る。

第3回
変革の時代における「プロ経営者」の役割を、横浜DeNAベイスターズ初代社長の池田純氏が考察する連載の第3回。今回は、変革の初期段階でプロ経営者がやるべきことを掘り下げていく。従業員を知り、組織を変え、仮説を立て、プランを提示し、「反変革派」に適切に対処する──。それらの取り組みの具体的な方法を経験に基づいて池田氏が語る。

第2回
企業を変革に導く存在としての「プロ経営者」に注目が集まっている。企業内の古い慣習やしがらみから自由であり、かつ顧客や市場に対する広い視野を備えているのがプロ経営者の強みだ。だがプロといっても、あらゆる案件を引き受けられるわけではもちろんない。プロ経営者が企業変革を実現するためには、どのような条件が必要なのだろうか。

あらゆる企業が「変革」を求める時代でありながら、その成功例は多くない。その背景には、計画としての変革と行動としての変革との間に大きな隔たりが存在している。そこで、「言うは易し、行うは難し」「総論OK、各論NG」という変革を阻む意識や習慣を取り除き、変革を実践フェーズに導く存在として「プロ経営者」に注目が集まっている。

閉塞感漂う組織を変革し、新しい競争優位を築くために、外部から経営のプロを招くケースが増えている。本来個々の組織に深く結び付いた経営という仕事をプロフェッショナル化し、組織変革を成功に導くための条件とは何か。

前回の記事では、スポーツ庁によって新設された「大学スポーツ協会(UNIVAS=ユニバス)」が機能しない理由とともに、大学スポーツの可能性はむしろ地方創生に向けるべきだという意見を示した池田氏。今回は横浜DeNAベイスターズの取り組みを下敷きに、そのアイデアの実現可能性について説明する。

3月1日、大学スポーツの統括組織である「大学スポーツ協会(UNIVAS=ユニバス)」が発足したが、現在に至るまで具体的な活動内容はほとんど明らかになっていない。横浜DeNAベイスターズの初代社長であり、ユニバスの設立準備委員会で主査を務めた池田純氏が、ユニバスの問題点と大学スポーツに懸ける思いをつづった。
