SNSの治安は悪化している!?

かっぴー これからのSNSは、どう使われていくでしょう。

佐々木 アメリカでは、“若者のFacebook離れ”という言葉が最近よく使われています。要は飽きられ始めたという意味ですが、実態は少し違うと思うんです。Facebookの本質的な役割は、日頃会わない人との関係性を継続させることと、経歴や交友関係を明かすことで、自分の信頼性を担保することだと僕は考えているのですが、いずれも中高生には不要なものなんですよ。

かっぴー たしかにそうですね。毎日クラスで顔を合わせるわけですから。

佐々木 いわば狭い世界で関係を完結したい層にとっては、文章のいらないInstagramなどのほうが、居心地がよかったりする。

かっぴー なるほど。Facebookは名刺みたいな側面もありますから、中高生には不要といえば不要ですものね。

佐々木 それに、リアルとネット上とで人格が異なる人がいますけど、あれは本当は、ネット人格のほうが本物と考えるべき。リアルではおとなしいのに、ネットでは妙に他人を罵っていたりする人がいますが、それはそういう性分を内面に持っているからこそですから。

かっぴー そうですね(笑)。その点でいうと、最近ネット上の治安が、すごく悪くなっていませんか? ガラの悪い人が増えて、迂闊なコメントをするとすぐ誹謗中傷のリプライが飛んでくるし、スラム街化しているような気がしてなりません。たぶん、ユーザーが増えたからなのでしょうけど。

佐々木 たしかに、Twitterなどはとくに、「2ちゃんねる化している」とよく言われますよね。だから僕が最近心掛けているのは、ロジカルな批判はしても、なるべく“悪意”を見せないようにすること。Twitterには人の悪意を面白がる土壌がありますから、そもそもの火種を作らないことが大切ではないかと。

かっぴー 炎上しているところには、「わあ、燃えてる燃えてる」と野次馬が集まってきますからね(笑)。

佐々木 そうでなくても、今のネットは罵倒の技術ばかりが上がっている印象で、「よくそんな悪口思いつくなあ」と思うこともしばしばですよ(笑)。誹謗中傷というのは、いまだに慣れません。