エヴァのガイナックスはなぜスバルと組んだ?<br />美少女アニメ「放課後のプレアデス」誕生秘話(下)「ななこ」の表情画

 じつはこのコラボ、企画の初期段階では「別の内容」だったという。

 当初、富士重工業からガイナックスへの要望は、「レガシィ」に採用した衝突防止機構「アイサイト」のプロモーションを念頭にしたアニメだった。主人公の成長物語として、キャラクターも仮設定していた。

 だが、「ぶつからないことをアニメ化して訴求する」ことは、アニメ制作者側から考えると非常に難しかった。さらに、仮にアニメなど架空の状況でも、ぶつかるシーンを描くことは自動車メーカーとして承認することは難しい。だが、制作者側からすれば、それがガイナックスであれば、さらに一般常識を覆すような「思い切ったこと」を仕掛けたくなるものだ。そもそも、クルマに関わるアニメで、クルマその物を登場させることに対して、ガイナックス側のプライドが揺れていた。

 またガイナックスは企画受注の際、「関係各位間での徹底的な議論なしでは、本件の実施が難しい」旨の書面を作成。過去事例のない難題に取り組むために、さらにはガイナックスとしてのプライドを守るために、妥協はしない覚悟で臨んだ。

 関係各位が激論を重ねるなかで、ガイナックス側は富士重工業側に、何度となく尋ねたという。

 「あなた方はアニメで、本当は何をしたいのか?」と。

 そして、富士重工業側から出てきた言葉が、「スバルの良さ」「スバルの挑戦」を見せたいということだった。さらに、「(仮に)クルマが出なくても構わない。この映像を見た結果がスバルの挑戦だと分かれば良い」との返事も得た。

 この言葉で、ガイナックス側の心の霧がスゥ~と消えたという。