どの程度の時給を望んでいるのか?

次に気になるのが、お金の問題です。当然のことながら、アルバイトの求職者たちは、収入を得るためにアルバイトの職を探しています。ですので、時給が上がることは、求職者にとっては大変重要です。今後の人手不足時代において、アルバイトの労働環境を改善し、離職を防ぐためにも、業界として賃金を高めていく経営努力は必要でしょう。

しかし一方で、求職者たちは必ずしも「時給の高さ」だけで仕事を選んでいるわけではないようです。自分の生活スタイルに合った働き方ができることを優先する人もいれば、職場の人間関係に重きを置く人もいます。

ひとまず参考までに属性別の希望する最低時給の平均データを見てみましょう。

■希望する最低時給の平均額(属性別)

ここであえて50歳以上のデータも別途掲載したのは、彼らの希望時給が圧倒的に高くなっているためです。この要因としては、正社員時代の給与水準が高かったことで希望額がつり上がっていることなどが考えられます。シニア人材についてはまたのちほど検討しますが、彼らの希望時給の高さは、これからシニア活用を検討している職場にとって大きなポイントになるかもしれません。

「職場の雰囲気」へのニーズは
全体的に高まっている

先ほどの時給データについては、なぜ主婦の希望額が学生よりも低いのかなど、金額を見ただけではよく判断できない部分もありますので、もう少し別のデータを見てみましょう。

下図はすでにアルバイトをしている人に「職場探しで何を重視したか?」を尋ねた調査の結果です。

■アルバイト求職時に重視するポイント

それぞれの属性によってアルバイト求職者が重視するポイントには違いがありますが、一方で共通点もあります。わかりやすいのは「生活時間に合わせて働けること」のような利便性の面ですが、もう1つ見落とせないのが「働いている人の雰囲気がよいこと」という項目でしょう。