何よりも重要なのは
社会人基礎力である

 誰であっても、すでに何らかの分野のプロであれば、社会人基礎力の上に新たなプロフェッショナリティを立てることはできると思っています。逆に言えば、社会人基礎力とはそれほど重要なものなのです。

経済産業省によると、社会人基礎力は三つの能力(12の能力要素)から構成されるといいますが、当然職種によってそのどれが特に求められるかは変わってくるわけです。ここのマッチングを図ることも大切です。

 少し説明しましょう。社会人基礎力とは基礎学力・専門知識を活かす力と位置づけられます。基礎学力は「読み、書き、算数、基本ITスキルなど」で、専門知識とは「仕事に必要な知識や資格など」。社会人基礎力は、「前に踏み出す力、考え抜く力、チームで働く力=これが三つの能力」です。また、これらの力のベースとして「人間性、基本的な生活習慣」を位置づけています。

 12の能力要素とは以下のようなものです。

・前に踏み出す力(アクション)=主体性、働きかけ力、実行力
・考え抜く力(シンキング)=課題発見力、計画力、創造力
・チームで働く力(チームワーク)=発信力、傾聴力、柔軟性、状況把握力、規律性、ストレスコントロール力

 もし、今の仕事を行う上で、「今の自分の社会人基礎力で足りているが、新たな専門性を身につけようとすると足りない部分がある」ということになれば、社会人基礎力のブラッシュアップも必要になるかもしれませんし、もしかしたら基礎学力まで遡って鍛え直すべき部分があるかもしれません。

 しかし、重要なことはいたずらに「新たなプロフェッショナリティを獲得するなんて無理だ」と決めつけずに、できているものとできていないもの、足りているものと足りないもの、強味として生かせるものなどをしっかりと見極めて、効率的に自分改造を行うことです。

 しっかりとプロフェッショナリティの構造分析を行い、勇気を持って取り組みましょう。そうすれば、新たな地平が意外と早く、目の前に現出するはずです。

(一般社団法人 社会人材学舎 代表理事 野田 稔)