会社にも社徳があり社格がある

 経営者は風で、社員は草という喩えもある。草は風の吹く方向になびく。風が吹き続けていないと、草は思い思いの方向へ勝手に伸びようとする。風はたまに吹くのではなく、吹き続けていることが肝心なのだ。

 風の吹き方にも格がある。王道経営の経営者は、正しい風を吹かせ続ける。会社の中によい風が吹きぬけると、そこにはよい社風が生まれる。その結果、社格が高まる。そこには企業文化が生まれる。人間に人徳というものがあるのと同様に、会社にも社徳があり社格がある。

 組織の大小にかかわらず、すべからくトップの影響力は大きい。

 コンビニエンス・ストアトップのセブン&アイ・ホールディングスの役員から、こんな話を聞いたことがある。店舗で最も影響力の高い可変要因は何かを問うたところ、「ほぼ店長で決まる」という答えが返ってきた。業績の悪い店であっても、よい店長に代えるとたちまち業績が回復するというし、逆に業績のよい店でも店長ひとりがお粗末な店長に代わっただけで、業績は数ヵ月で転落傾向をたどるということだ。

 私は、この話を聞いて大いに共感を覚えた。