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どんなものを覚えるのにゴロ合わせが適しているのか
794(なくよ)ウグイス平安京、知らない人はほとんどいないあまりにも有名なゴロ合わせです。この昔から存在しているゴロ合わせは、もちろん記憶にとって有効な手段です。
ただし、勉強する内容をすべてゴロ合わせにできるわけではありません。
そこですべてに使おうとするのではなく、いざというときの飛び道具といった存在として考えるべきでしょう。つまり、どうしても覚えにくいものに絞ることです。
「これを覚えるのはこの方法」「あれはこの方法」というように、適材適所で学習法を変える柔軟なスタンスのほうが勉強に関してはうまくいくようです。
では、どんなものを覚えるのにゴロ合わせが適しているのか。元の形のままでは日本語として意味がとれないものです。
次からは、その代表例を説明していきます。
ゴロ合わせ(1) 数字に使う
数字はそのままでは意味を持っていません。単なる記号にすぎないからです。
脳は性質上、意味のないものを覚えるのを非常に苦手としています。
しかし、冒頭の例のように、数字にゴロ合わせは有効なのです。
年号以外にも数学で出てくる平方根や何かの定数など、数字を覚えなければならない場面は多々ありますが、そんなときにもゴロ合わせは役に立ちます。
数字にゴロ合わせを使って意味のあるものに変身させることによって、脳にとって覚えやすい情報になるのです。
数字をゴロ合わせにするにあたり、はじめに数字の読み方を決めておく必要があります。
基本はその数字の読み方からきていますが、なかには数字の形からとったものもあります。
たとえば数字の0ですが、0の形は「まる」なので「ま」、または英語の「O(オウ)」と同じ形なので「お」とも使っています。
他にも数字の2のところで、漢字の「二」にしたときの読みを使って「じ」にするとか、それ以外にも英語読みの「ツー」から「つ」にするなどの考え方で選んでいます。
これを使うと、冒頭の例のように794「な・く・よ」ができるのです。
他にも、148であれば「い・し・や」(医者)、833で「は・さ・み」という具合です。
ケタが多い数字の場合は、数字を細かく分けて複数の言葉にすればよいのです。数字を2ケタずつ分けると言葉を作りやすいのでおすすめです。
38を「サ・ハ・(ラさばく)」(サハラ砂漠)、90を「ク・レ・(オパトラ)」(クレオパトラ)のように最初の2文字が合っていればよいことにします。
ゴロで言葉にした後は、前節の方法でストーリーにして覚えればよいのです。
円周率3・14……の小数点以下10ケタの数字「1415926535」にゴロを使ってストーリーにすると、
「大きな石(14)を飛行機(15)から落としたらクジラ(92)の肋骨(65)に当たって跳ね返りサンゴ礁(35)が壊れた」
となります。映像が浮かんだでしょうか。