睡眠、美容、子育て、集中力、ダイエット、禁煙、老化……など、幅広い有効性が認められているマインドフルネス。これを日本で最も広めたベストセラー『最高の休息法』に「医師監修の特別音源CD」を付属した実践編が登場した。その名も『脳疲労が消える 最高の休息法[CDブック]』――。その一部をご紹介しよう。

マインドフルネスで美人になる!?

――先日、モデルの道端アンジェリカさんが、自身のインスタグラムにすっぴんの写真を公開し、長年にわたって「乾癬(かんせん)」という肌の慢性疾患を患っていると告白したことが話題になりました。「肌が汚い」などとSNSに中傷コメントを書き込まれたため、この持病に対する理解を求めての投稿だったそうです。マインドフルネスは乾癬や美容などにも効果があると聞いたのですが本当でしょうか?

マインドフルネスの効果というと、どうしても集中力の向上とか感情コントロールといったことを考えがちですが、実際にはかなり幅広い分野で効果があることがわかってきています。

「マインドフルネスの父」とも言われるマサチューセッツ大学メディカルスクールのジョン・カバット=ジンの研究では、マインドフルネスのセッションを8週間にわたって行った結果、乾癬の患者さんの回復スピードが見事に促進されました*01。

遺伝子レベルで皮膚の代謝スピードが変わったというデータもあります*02。少なくとも、免疫系が強化されることはわかっていますので、キズの治りなどは早くなると言えます。

これは言い換えれば、肌や髪の毛、爪などに対しても、マインドフルネスには好ましい影響が期待できるということ。肌再生のサイクルが早まれば、肌が美しく保たれるようになります。

また、ストレスホルモンの分泌を減らす効果も知られていますから、そこから来る間接的な美容効果も期待できます*03。

ストレスホルモンは、皮脂の産生量を増やしたり、肌の乾燥を促進させたり、自律神経のバランスを崩したりする原因。マインドフルネスによってストレスホルモン分泌が抑えられれば、過剰な皮脂による吹き出ものが減ったり、乾燥肌がうるおいを取り戻したり、脱毛が抑えられたりといったことは、十分考えられます。

さらに、自律神経を整える働きを考えると、月経前症候群(PMS)の一連の症状、痛みや疲れ、倦怠感やイライラなどが改善されることもあり得ます*04。

マインドフルネスは美しさにも効く―─これは美容に気を遣っている多くの女性には(もちろん男性にも)朗報でしょう。

*01) Kabat-Zinn, Jon, et al. (1998) “Influence of a mindfulness meditation-based stress reduction intervention on rates of skin clearing in patients with moderate to severe psoriasis undergoing photo therapy (UVB) and photochemotherapy (PUVA).” Psychosomatic Medicine 60.5: 625-632.
*02) Epel, E. S., et al. (2016) “Meditation and vacation effects have an impact on disease-associated molecular phenotypes.”  Translational psychiatry 6.8: e880.
*03) Sanada, Kenji, et al. (2016) “Effects of Mindfulness-Based Interventions on Salivary Cortisol in Healthy Adults: A Meta-Analytical Review.” Frontiers in Physiology 7.
*04) Tang, Yi-Yuan, et al. (2009) “Central and autonomic nervous system interaction is altered by short-term meditation.” Proceedings of the National Academy of Sciences 106.22: 8865-8870.