「説明会」化してしまうインターンシップ

 気をつけたいポイントの1つ目として、「参加しただけで満足しないこと」が挙げられる。

 1日開催の1dayインターンシップは、その中身に課題がある。
 それは、ほぼ「企業説明会」程度のコンテンツにしかなっていないものが多い点だ。

 多くの企業の場合、プログラムは4~5時間程度。
 企業の説明を受けた後、社員との座談会や1時間程度のグループワークが実施される。「就業体験」と呼ぶには少し無理のあるコンテンツだ。

 実際に参加した学生は、こんな話を聞かせてくれた。
「講義形式でその企業について聞くだけのものが多かった。そのときは知らないことが知れたということで気づきがあり、自分自身も成長した気がしたが、今思うとただの説明会だった。参加しただけで満足してしまったことを後悔している」(早稲田大学 男子)

「グループワークを行うものもあるが、時間が短いため、議論できる量も質も限られている。『企業理解』や『成長機会』には限界があった。1日で終わるため、スケジュールが合わせやすかったので参加したが、3日以上のプログラムにもっと参加すれば、志望企業への絞り込みや、企業理解を深められたように思う」(慶應大学 男子)

「1日」のプログラムが多く開催される背景には、「なるべく早期に、なるべく多くの就活生に、自社を紹介したい」という企業の思いがある。そのためには1回、1回の時間が短くなり、必然的にコンテンツ内容もそれなりのものになってしまう。
 まだ志望業界も企業も絞れていない学生にとって、気軽に参加できる1dayは魅力的である一方で、成長機会としては課題が残る。では、1dayインターンをどう活用すればいいのだろうか。