誰もが知っている、目新しさのない商品を活性化させる
「プロダクト・エクステンション」とは?

 古くは、「カルピス⇒カルピス・ウォーター」が代表例ですが、ターゲット層を見直したり、商品のパッケージデザインを変えたり、イメージを一新する広告を実施するなどして、ブランドや商品の再活性化を図るもので、最近では各業界で次のような事例があります。

「とりあえず」の座は、ビールからハイボールへ。<br />マーケティング巧者、サントリーが本領発揮!

 ウイスキーを含めたこれらのブランド・商品に共通するのは、一時期ブームと呼ばれる時代があったり、長年にわたって熱心なファンがついていながら、ファン以外への訴求力に弱く、長期的には衰退の方向にあったり、新規顧客の開拓に苦心していた点です。

 日本のウイスキーの消費のピークは、今から30年近く前の1983年のこと。その後ビールや焼酎など、比較的低アルコールの酒類に押され、1990年以降の需要は大きく減退。とうとう2008年にはピーク時から比べると、数量ベースで5分の1にまで落ち込んでしまいました。

 この長期低迷を打破する手法が「プロダクト・エクステンション」で、世の中の変化に対応して製品戦略や広告戦略に修正を重ね、ふたたび成長軌道に乗せようとするものです。