本気で達成したい、自分に関係あるという目標か?
共通の目標は、「達成したい姿」つまり「ありたい姿」を描くことです。ただし、これは、「あるべき姿」ではありません。チームが一丸となって取り組み、目標を達成したときに、どうなっていたいかを考えるのです。「こうあるべき」とすると、窮屈になってきて、発想が乏しくなる傾向が出やすいのですが、「ありたい姿」なら、自由な発想や行動を妨げません。
共通の目標は、チームとして「本気で達成したい」と思えるものにすればするほど、結束力を高め、早く、強くまとまっていきます。そのためには、メンバーが、「自分に関係ある!」と思えるように描くことが秘訣になります。
目指す場所やシーンが見えるように考えてみてください。高校野球なら甲子園、高校ラグビーなら花園ラグビー場、高校サッカーなら国立競技場といったように、具体的に、「未来の目的地」を描けるようにするのです。
こうしたシーンが描けない場合は、問題を解決する方向が見える目標、チームの戦う相手、ターゲットをはっきりさせる目標の観点から定めてみることです。
共通の目標には、達成されたら「誰のために役に立つのか」、そして達成の期限も加えてください。「誰のため」を明確にするとチームの動きも変わります。また期限は明確にできないときでも、短期、中期、長期程度のメドは示しておくことです。
共通の目標のレベルもよく考えておきましょう。とてもムリな高いレベルにしてしまうと、いつまでも達成できずにチームをバラバラにしていく原因になります。
逆に、あまりにも簡単に達成できるレベルにすると、チーム全体の活動を促進することなく、できる人が、スタンドプレーをしてしまい、それで達成できてしまうかもしれません。これでは、結束力は高まりません。
「このメンバーなら、どこまでできるか」を考えてください。スポーツチームでも、世界大会に「出場」を目指すところもあれば、「一勝したい」、または「ベスト4」、そして「優勝」を目指すところとさまざまです。
共通の目標の期限、そしてレベルは、最終的にリーダーの決断で決めるものです。チームで意見を出し尽くした後、リーダーの役割として、議論しても結論の出ないことについては、リーダーが決め最終責任を負います。それによって結束力を高める効果もあります。