ビフォー:受動的な行動の例=Aくん

大きな目標は、小さな目標の積み重ねである。これが私のモットーです。
私がこのことを実感したのは、経済政策の授業です。
毎週テストとレポートのある厳しい授業でしたが、毎回授業に休まず出ているうちに、最初は意味のわからなかった内容についても理解が深まり、「継続は力なり」だと感じるようになりました。
このことから、どんなことも確実に積み重ねていけば、最終的には大きな力になることを学びました。

 一見、まじめでコツコツ努力する人のようで、好印象である。よく頑張ったのだろうが、残念ながら受動的行動の域を出ていない。

 モットーはわかったが、何のために、そのモットーを掲げたのだろうか。さらに言えば、ただ一人で何かを成し遂げただけなのだろうか。授業を通じて他の学生や教授に、きみはどんな影響を与えたのだろう。

 組織で働くチームメンバーさらには未来のチームリーダーとなる人材を、企業は求めている。そこを踏まえて、もう一歩踏み込んだアピールの仕方がある。それが次の「能動的な行動の例」だ。同じ経験でも、次のようにまとめると、印象はグッと違ってくる。

アフター:能動的な行動の例=Bくん

自分が本気でぶつかれば大きな影響を与えられる。それが私のモットーです。
私がこのことを実感したのは、経済政策の授業です。
毎週テストとレポートのある厳しい授業でしたが、毎回予習をし、教授に質問をぶつけ続けるうちに、自分の理解が深まっただけでなく、教授や周りの学生のテンションが上がっていくのを実感しました。理論や過去の事例を学ぶだけでなく、現在の日米中の経済政策を議論することを教授に提案し、1コマ割いて活発な議論を実現することもできました。
今後も自分から本気になることで周りを刺激し、影響を与えていきたいです。

 どうだろう。印象はまったく違うだろう。自分なりのアイデア(政策)も端的に語れれば、さらに伝わる。

 これがESの文章であれば、AくんよりBくんの話をもっと詳しく聞いてみたい、読んだだけで会ってみたくなる。同じ「経済政策の授業を受けた」経験でも、アピールの切り口が違うだけでまったく違う印象になるのだ。Bくんの行動は、実はそれほど大きなことではない。数名のゼミであれば、すぐに教授やゼミ生に提案などできるだろう。

 単なる「書き方、伝え方のテクニック」という意味合いではなく、普段のちょっとした行動一つで、アピールの切り口が変わるということだ。