「プロ野球界の未来はとても明るいですね!」

「確かにあのグラフを見る前からそれらを知っていたけれど、でも図を見れば、誰でもそう考えるのが当然じゃないか?」と言われるかもしれません。

 でも、もしも本当になんの知識もなければ、すなわち、もし本当に「自分の頭で考えていれば」、回答はまったく違うものになりえるのです。たとえば、「日本のプロ野球についてなんの知識ももたない留学生のBさん」に聞いてみましょう。

 自分の国にはプロ野球自体が存在しないというBさんは、データを見ていくつかの質問を投げかけてきました。

 最初の質問は、「日本では、20代~30代の人と、40代以上の人ではどちらが裕福ですか?」というものです。 回答は明らかですよね。日本では中高年や高齢者の方が若者より裕福です。資産(貯金)でも収入(給料)でも、若年者の厳しい経済状態とは比べものにならないでしょう。

 Bさんはさらに聞いてきました。「余暇に使える時間は同じですか?それとも年代によって違うのでしょうか?」  

 そうですね。余暇時間が長いのは60歳以上など定年後の人達でしょう。働いている人、特に小さな子供を育てている世代はとても忙しいです。

 それらを聞いたあと、Bさんは自信をもって言い切りました。「日本のプロ野球界の未来はとても明るいですね。昔に比べてお金持ちのファンが増えています。また、定年後で余暇時間の長いファンも増えています。遊びや趣味の選択肢が多い若い人より、趣味が少なく余暇時間の多い高齢者のファンが増えているのはすばらしいことです。日本のプロ野球市場はこれからかなり有望ですね!」

 なんとBさんには、日本のプロ野球界の暗い未来はまったく浮かばなかったようで、Aさんとは180度違う答えが返ってきました。

 ここでもう一度Bさんの回答を読み返してみてください。どうでしょう?Bさんの意見も、それなりに論理的だと思いませんか?