「心地よさ」に酔っていると、恥ずかしい存在になる

 ただ、ここに誘惑があります。
 というのは、“忖度”されるのは心地いいからです。自分が「正しい」と思ったことに、労せずして部下が賛同してくれるわけですから、心地いいに決まっています。しかし、この「心地よさ」が危ない。なぜなら、自分が優れたリーダーだから、何を言っても部下が賛同してくれるのだと勘違いを始めるからです。その結果、「自分は優秀だ」「自分は正しい」「自分が答えをもっている」などと思い込んで、鼻もちならない上から目線の“ダメな人間”が出来上がってしまう。そして、偉そうに部下を呼びつけては威張り散らすようになるのです。

 これは、実に恥ずかしいことです。
 なぜなら、本人はいっぱしのリーダーシップを発揮しているつもりだけれども、その実態は、組織が「裸の王様」を生み出すメカニズムに乗せられているだけだからです。アンデルセン童話の「子ども」のように素直な目をもっている人から見れば、“裸”なのは明らか。誰も、心の底ではリーダーなどと思っていないのです。それは、とても恥ずかしいことではないでしょうか?